ヴォータンは何故片目なのか・・・4

ここらで少し整理しておく必要がある。
ヴェルズンク族とはオーディン=ヴォータン=ヴェルゼが、人間族(神と人の対比としての人間ではないことに注意が必要・・・だから別種族と言ったほうが良いかもしれない)との間に作った「ジークムントとジークリンデ」の双子の兄妹が所属する種族でヴォータンの血を引き継ぐ唯一の別種族といえる。
ヴォータンの血を引き継ぐものとしては、知恵・道徳の神とされる「エルダ」との間の子供「ブリュンヒルデ」が他に存在する。正妻「フリッカ」との間には子供はいない。

以上の簡単な整理を元にして、先にあげた解決すべき課題について考えてみたい。

d0063263_13254554.jpg★オーディン=ヴォータン=ヴェルゼとフリッカの口論で、母性であるはずのフリッカが「結婚=契約」という概念を持ち出して、ジークリンデとフンディングの結婚を保とうとし、父性であるオーディン=ヴォータンが「愛」あるいは血族の概念を用いて、ジークリンデとジークムントのタブーとされるような近親愛を認めようとしたのは何故か?
d0063263_13293328.jpg
d0063263_13295327.jpg

これについて小生は
母親の血脈で家督相続させ、子孫をつなぐ古来からの母(系)権制社会から父(系)権制社会への脱皮の話が隠されていると見る。
ヴォータンは、フン族との契約で金銀財宝そして土地を提供したが、その引き換えに「製鉄技術」を輸入した。遊牧民が鉄製の農耕器具そして鉄製の武器を持つことで、勢力が強まるとともに、「男」の権力が増大することになる。

ヴォータンは、フリッカの血脈・・・実子が無いから兄弟姉妹、叔父叔母などが相続するのが本筋であるのを、ヴォータン自身の血脈=男系の血脈で種族の存続を保とうと、画策した。
その結果誕生したのが「ジークムント、ジークリンデ」である。
フリッカはヴォータンの血脈ではなく自分の=女系の血脈で神々の存続を図ろうとするから、「ジークムント」が「ジークリンデ」と結びつくのを「近親相姦」というタブーと、「結婚=契約」という概念を持ち出し反対したのであろう。
2人が結びついてさらに子供が出来れば(後のジークフリート)ヴォータンの男系の血脈は、さらに濃いものになるはずだから。
d0063263_13263285.jpgそうなると神々という種族が、今まで連綿と培ってきた母系存続社会が崩れ、「」神々の崩壊」となる。
一方ヴォータンにとっては、自分の血が一切入ってないものに、せっかく築いてきた文武に優れた国家を継がせることは、すなわち神々の種族の崩壊につながると踏んだ。
周囲の外敵の圧力に備えた強力な国家は、自分の血を受け継ぐ男系の国家でなければならないと思ったのだろう。

「フリッカ」と「ヴォータン」の神格が入れ替わっているように思えるところが多々あるのは、キリスト教の影響なのだろうか。
[PR]

by noanoa1970 | 2007-01-11 09:33 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(0)