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クリスマスの音楽

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クリスマスにふさわしい音楽は数々あって、小生はここ最近ではアイルランドの伝統音楽の名手達「チーフ・タンズ」の「ベルズ オブ ダブリン」というアルバムを必ずといっていいほど聞いている。
今年は加えて懐かしの「ザ・ロネッツ」がメインに歌った「フィル・スペクター」プロデュースによる「クリスマスギフト フォー ユー」というポップソウルなアルバムも聞いた。
もう少し静謐さがほしいと思うときには・・・つまり、クリスマスあるいはイヴの真夜中には、「シャルパンティエ」の「真夜中のミサ」もとてもよい。

今年はそんなお気に入りのアルバムのうち、久しく登場することが無かったものを登場させ、聞いてみると、あまりにも素晴らしいあるばむであることを再認識させられた。
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中世から、当時のフランス地方伝わる「ノエル」を集めたもので、「ベツレヘムの真夜中」と題された、「主よこの降誕の祝日に」など4曲がグレゴリオ聖歌のメロディに歌詞をつけたもの、「ボーヴェのクリスマス」という1200年ほどの時代のもの、「今日の光は」など6曲収録されるが全て作者不詳だ。ボーヴェ」とは「ブーベの恋人の「ブーベ」であろうか。

「聖母マリアのために」として「ギョーム・デュファイ」作「マニフィカト」他3曲。
そして「ブリュメル」の「ノエノエ」=「ノエルノエル」。
最後に「ルネッサンスのクリスマス音楽の花盛り」として、16曲にも及ぶ「ブルゴーニュ」「シャンパーニュ」「フランドル」のクリスマスソングが集められている。
このあたり15・6世紀近くになると、リズム感も出てきて、簡単な伴奏が付けられているから、聞いていても楽しさを感じられるようになる。

「ダウランド」の「かえっておいで!優しい愛が今しも招く」のような音楽が、ヘクトル・ザズー」の「ダーク イン ザ ライツ」・・・アイルランド、ブルターニュ地方に伝わる古い宗教曲を現代によみがえらせた小生のお気に入りのアルバムにも似た音楽が聞こえてきて、「ニコラス・マルタン」作の「来たり手て聞け!トランペットを!」のメロディは、耳慣れたクリスマスソングとして、古今東西に渡って、かなり引用されているもの。「チーフ・タンズ」もアイルランドのクリスマス音楽として扱っていることから、中世、ルネッサンス時代のヨーロッパ大陸と、ブリテン諸島の文化的交流が垣間見れる。
「ブルターニュ」地方には古い伝統歌が今でも残るという。
これにおいてキリスト教の果した役目は大きいと改めて思うとともに、「聖パトリック」の果した融合政策の力を感じることになる。
これは久しぶりの取って置きのアルバムだ。
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by noanoa1970 | 2006-12-24 10:40 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(0)