クラシックブームだって?チョット嘘っぽいぞ

あたかもサブカルチャーがハイカルチャーを侵食したかのような・・・昨今では「クラシックブーム」だそうだ。面白い社会現象である。
しかしほんとにクラシック音楽は今ブームなのだろうか?
コンビレーションのクラシック音楽CDが「これまでにない売れ行き」というだけのメジャメントで、「ブーム」とするメディアの非社会学的知見にもあきれる一方で
来年の流行色は「ピンク」・・・などというのと同じような、ある種の情報操作ではないだろうかと小生などは疑わしく思ってしまう。

これは「メディア」による仕掛けそのものであり、長いあいだマージナルすることが決してなかった「カルチャー」の、「シームレス」効果を狙った意識的仕掛けによる擬似的「価値観の創造」だと、冷ややかな目で小生は見るのである。

かつて「加川良」は「流行歌」という歌で、1本のマッチに火をつけ、燃え去るまでのほんの瞬間に、未来(あした)を覗こうとした。
しかしそれは空しい努力に終わり、そこには過ぎ去った時代の思い出しか浮かぶことは無かった。
その思い出の数々をかき集めようとしていると、暗闇から突然のように、何かがが聞こえてくる。

世間では今、流行りものが氾濫しているけど、そのような流行やブームは、やがてすぐに去ってしまう。大切なことは、流行などという作為に惑わされないで、自分を失わないで、持続する感性の力を信じられるように、それにはそれを好きになった自分自身を好きであり続けること・・・・

1970年代に、サブカルチャー的存在だった「フォークシンガー」の一人、「加川良」は、このようなメッセージを、「流行歌」という・・・・反語的なタイトルの曲に忍ばせた。

「のだめカンタービレ」という漫画、TVドラマが人気だというが、カルチャーミックスによる意外性に面白みはあっても、これが日本人のクラシック音楽の掘り起こしに貢献しているようにはとても思えない。

小生は原作を知らないので、あまり言及するのもどうかと思うが、ドラマを見る限り、「お笑い」のネタのように茶化してばかりの、この作品の意図はまったく伝わってこないし、存在意義はというと、かなりの疑問を呈さざるを得ない。
「クラシック音楽の大衆化」などは所詮絵空事なのであるから、そして作者や、ドラマの製作者は、恐らくいずれもそんなことを考えているわけではないと思われるのであるから、「禁断の領域」への踏み出しへの・・・・「タブー」を破ることの快楽の鍵を与えることで、一瞬の幻を見せる情報操作を楽しんでいるものと、小生には思われる。

クラシック音楽が「エンターテインメント」の文化領域を占める一部の存在となったなどという、昨今の「クラシックブーム」なるものに騙されてはいけない。
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by noanoa1970 | 2006-12-11 10:11 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(0)