JFKのレクイエム

12月8日は「ビートルズ」のメンバーの一人、「ジョン・レノン」の命日だそうだ。
「ジョン」のピアノがなぜか「ケネディ」大統領が暗殺された「ダラス」のその地に置かれたという。
11月22日のことだ。

そのニュースを書きとめておくことにした。

『ジョン・F・ケネディ元米大統領の暗殺から43周年を迎えた22日、故ジョン・レノンが反戦歌「イマジン」を作曲するのに使用したピアノが、平和のメッセージとして暗殺の現場に置かれた。

 このピアノは英ポップスターのジョージ・マイケルさんと、彼のパートナーであるケニー・ゴスさんが米国に持ち込んだもの。マイケルさんは2000年に競売でこのピアノを145万ポンド(約3億2000万円)で落札した。現在は278万ドルの価値があるという。

 来月からこのピアノを展示するダラス市内の「ゴス・ギャラリー」のスポークスマンは「マイケルさんとゴスさんは世界平和を重視していて、平和のメッセージとしてピアノをこの場所に持ってきてくれた」と述べた。』

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忘れもしない1963年、衛星中継による米国とのTV生放送をTVの前で待っていた、その第一報が「ケネディ」の暗殺だった。

ピアノを持ち込んだ「ジョージ・マイケル」といえば「ワム」の片割れで、一時人気があった人だ。
「世界平和」のシンボルとして、JFKとジョン・レノンを関係付ける気持ちはなんとなくわかる気がするし、両者ともに「暗殺」という非業の死を迎える点でも共通する。
しかし、なんとは無く「利益目的」の感じが付きまとってしまうのは小生だけであろうか。

40年以上の長きにわたって廃盤となっていた、ケネディ葬儀のモーツァルトのレクイエム
ようやく発売となった。
このLPが発売されたとき小生は中学生。RCAヴィクターから確か5000円という価格で発売されたが、購入することが出来なくて、お金が自由に使えるようになったら購入する候補にしていたのだが、それからすぐに廃盤となった。
事情が事情、事が事だけに、廃盤にしなければならない事態になってしまったと予測されるが、単に音楽としての「レクイエム」ではなく、そこに表現される「ドキュメンタリー」としての価値もあって40年捜し求めてきて、3年前にある方からモノラルではあったが、LPを譲っていただいた。

絶盤であるとあきらめていたにもかかわらず、今回ステレオ盤で復刻されるというので、躊躇無く入手した。
大手ショップの宣伝と紹介文では、LP発売当時の「解説」がそのまま掲載されているので、興味ある方は参考にされたい。
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オリジナル: 1964.02.01(USA)
[演奏]
説教:リチャード・クッシング枢機卿
サラメ・エンディッチ(ソプラノ)
エウニーチェ・アルバーツ(コントラルト)
ニコラス・ディヴァージリオ(テノール)
マック・モーガン(バリトン)
プロ・ムジカ合唱団[合唱指揮:アルフレッド・ナッシュ・パターソン]
ハーヴァード・グリー・クラブおよびラドクリフ合唱協会[合唱指揮:エリオット・フォーブス]
ニュー・イングランド音楽院合唱団[合唱指揮:ローナ・クック・デ・ヴァロン]
聖ヨハネ教会合唱団[合唱指揮:ラッセル・H・デイヴィス]
ボストン交響楽団
指揮:エーリヒ・ラインスドルフ
[録音]1964年1月19日、ボストン、聖十字架教会でのライヴ・レコーディング

ケネディが暗殺された日「ラインスドルフ」は公演中であったが、そのニュースが飛び込んでくると、彼は指揮の手を止めて、聴衆にメッセージを伝えたという。
次の年の1964年1月に行われた追悼ミサでカトリックの式典にのっとり、このレクイエムが演奏されたのだった。

「ラインスドルフ」といえば「ノイエ・ザッハリッヒカイト」の指揮者の典型のように見受けられがちで、確かにそういう演奏も少なくは無いが、モーツァルトでは世界初の交響曲全集でも、ベートーヴェンの第9の解釈においても、個性の中に普遍性を忍ばせるようなところが好きな指揮者の一人である。新ウイーン派の音楽にも素晴らしいものが多い。

レクイエムは中庸よりやや遅めのテンポを取ってはいるが、ビブラートをかなり抑え目にした独唱と合唱、そしてアーティキュレーションによる弦楽器の悲痛なボウイングを演出する。
また通常使用するバセットホルンの出だしをクラリネットのうらぶれたようだがクッキリとした音に変更しているのは意味があってのことだと思う。
まさしく「畏敬」「尊崇」「哀悼」「悲痛」「悲愴」という文字が、ふさわしくは無いが浮かんでくる。
「鎮魂」というものではなく、「安らかに神の御許へ」との祈りが聞こえるレクイエムである。
世に「モツレク」の名演といわれるものは多かれど、所謂「宗教的心」がフツフツと沸いてくるものは、この演奏をおいて、そうざらにあるものでは無いであろう。
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by noanoa1970 | 2006-12-08 17:55 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(1)

Commented by Schweizer_Musik at 2007-01-16 20:53
TBありがとうございました!
> 「ラインスドルフ」といえば「ノイエ・ザッハリッヒカイト」の指揮者の典型のように見受けられがちで…
本当にそうですね。プロコフィエフなどそうした特徴をよくあらわしていると思いますが、一方でこのような壮絶な悲劇性を表現するのですから、なかなか一筋縄でいかない指揮者です。
昔、ブルックナーの第4番やマーラーの交響曲第1番や第3番などをよく聞いたものです。シューマンの交響曲も結構良かったし…。

モツレクはワルターのNYPとのモノ録音をはじめとして、良い演奏は数あれど、これは特別の記録なのでしょうね。私も大いに感動しました。ホント、買って良かった…。