夏に似合う音楽・・・Cat Stevens「Morning Has Broken」
DRACの後輩に当たるdrac-obサンのBLOGを覗いてみると、偶然にも一昨日聞いた「雨に濡れた朝」のCat Stevensについてかかれてあった。偶然はもう一つあって、これも一昨昨日書いた「ケテルビー」の誕生日が、小生がBLOGに書いたちょうど日8月9日に当たるということを、「てつわんこ氏」から教えていただき、あまりにもの偶然にビックリしたところに、今度は「キャット・スティーヴンス」であるから、さらにビックリ加減が増したのであった。
イギリスつながりということで、非クラシック音楽「キャット」を取り上げた。
キャットスティーヴンスを当てはめるジャンルを思いつかないため「非クラシック」としたのだが、初期のアルバムはブリティッシュカントリーバラッド・・・伝統歌とカントリーロックの融合みたいなところも、フォークソング的なところもあるように思える。時々顔を出す異国情緒・・・それもある。
人は偶然が2度以上重なると「神とか霊」のおかげや仕業であると言いたくなるようだが、これもお盆が近づいたせいなのか、あるいは先日墓の掃除に行ったことで、霊感でも憑いたのか・・・などと考えないでもない。学生時代の幽霊体験もあるからヒョットすると・・・・
小生は彼の作品をこのアルバムと、そして「父と子」という、いわば初期の物しか知らないのだが、drac-obさんによると、その後キャットは仏教へと改宗したり今はイスラム教徒となっているようだ。
学生時代に聞いた時にははまったく感じなかったことで、「美しい自然賛歌]の曲だとばかり思っていたのだが、よくよく聞いてみると、かなり「宗教的」な色彩のある曲であることに気がついた。
邦題が・・・中にWET GARDENとはあるが・・・「雨に濡れた朝」などとつけられたので、かなり長い間誤解していた。
この曲は旧約聖書あるいは創世記にも出てくるようなことを示していて、さらに面白いのは曲の冒頭ピアノのイントロ・・・の音を拾ってみると・・・ミ・ファ・レ・ミ・ド・シ(レ)・ドという音に分解できることに気づいた。
この音階は、遠い昔のギリシャの旋法、あるいはグレゴリオ聖歌にも似ていて、そしてパッフェルベルのカノンの通奏低音やバッハの管弦楽組曲3番「エアー」に通じるところがある「音型」のように見受けられるから、キャト・スティーヴンスが意識しようとしまいと、彼の中に密かに塗り込められていた音の感覚・・・キリスト教音楽があるらしきことを思わせる。
推測だが彼は教会のミサに幼い時から良く通った熱心なクリスチャンではなかったろうか。
そしてそれは英国国教会などでなく、もっと根源的なキリスト教・・・厳粛なカトリックか、あるいはそれに順ずるところの影響を受けたのではないかと考えらるところがある。
たった2つの作品しか聴いてないから、勿論至極勝手な推測にしか過ぎないのだが、「ピーストレイン」「ムーンシャドウ」そして、「父と子」というアルバムタイトルは、敬虔なキリスト教徒を思わせる。
大病して復帰後、彼は仏教そしてイスラム教へと改宗したというが、「改宗」はわれわれ日本人が考えるような簡単なものではないはずだ。ましてや彼の場合キリスト教からだから、余計にその軋轢や葛藤が予想されるのである。
音楽的な変化を見たいところではあるが、もはや小生の手の届く範囲に、彼はいない。
鼻に抜けるような歌声と、ピアノの音型、そして12弦ギターのきれいな高域の音のリズムが耳に残るばかりである。
彼はこれからどこに行こうとしているのだろう?
by noanoa1970 | 2006-08-11 21:23 | JAZZ・ROCK・FORK | Comments(2)