憂鬱な季節に聞く音楽・・ピエルネ「ハープのための小協奏曲」

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カレンダーはとっくにその時期であるのだが、夏はまだ来ない。
外は相変わらずの雨が続く。
天候不順の憂鬱を、何とか解消できる音楽をと探したのが、フランスもののハープが活躍する音楽の音盤。
このLPは学生時代に友人のK君から借りてそのままになっていて、最終的に小生が所有することになったもの。(返却しないままになっていただけのことであるが・・・)

このLPに収録されるドビュッシーの作品とラヴェルにおける作品のよって立つところは、その背景に、フランスで発達したハープメーカーの・・・「クロマチックハープ」VS「ペダルハープ」のイニシアチヴ争いめいたものがあったことをご存知の方は、それほど多くないと思う。

それに触れて思うのは、昨今の「古楽器」「ピリオドまたはピリオドアプローチ」、「ピリオド奏法」などという、はやり病がごとくの演奏スタイルのことであリ、オーセンチック等というやからや、それを売り物にする商業主義的な仕掛けと、そてに乗っかった音楽関係者、愛好家諸氏の多いこと。

オケの配置においても、音楽的内容を語らない論点に根拠なき「両翼配置」絶対主義論者が幅を利かせるようになった今日の状態にはいささか危惧の念を抱いてしまう。
バロック、ルネッサンスのバイオリンの形状すら正確に判明してなく、楽器の発達過程が、国、地方、演奏団体によってかなりバラツいていると思われ・・・・バロックバイオリンと、モダンバイオリンが同じオケの中に混在する状況も予想されたのだから、厳密なピリオド演奏などはありえない。

バイオリンのノンビブラート奏法とバイオリンの形状、そして弾き方の関係を知らずに、過去の演奏スタイルは「ノンビブラート」であるとか、伝統的オケ配置は両翼配置であるとかいったところで、しかもそれをそのまま現代に焼き直ししたところで、ほとんど得るものがないように思うのである。

話はずいぶんそれたが、楽器の発達と、作曲家、そしてその作品の因果関係性には注目しておく必要が大いにあると思っている。

ドビュッシーとラヴェルは、彼ら自身はどのように思っていたかは別としても、「重要なほかの力学」によって対抗させられたのであった。

話を最初に戻すと
このLPの中で小生が最も愛好するのが「ピエルネ」の「ハープのための省協奏曲」である。
他の3人ほどの知名度はない人であるが、この曲は「名曲」といってよい。
ドビュッシー、ラヴェル、フォーレそして、プーランクへと受け継がれるような語法の集大成的音楽であるが、ハープソロのハーモニクスがとく上の雰囲気を醸し出す。
色彩豊かなバイオリンの音色とやはりハープには憑き物のフルートの巧みな音楽はマスネの色彩豊かな音楽をも髣髴とさせる。

フォーレ以上に子洒落たところ、メロディアスなところが見受けられ、緩急、強弱という協奏曲の特徴もあって、なじみやすくこの季節聞いてピッタリの曲である。
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by noanoa1970 | 2006-07-24 09:33 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(0)