愛犬の好きな音楽
ブルックナーを聴く「シバ」
愛犬「シバ」は我が家にやってきて、4年になる。1歳半で来たから5歳半。今ではスッカリ家族となった。インターネットで、「里親」を募集していたので、貰い受けることになったのだが、「室内」で飼うことが条件の一つであったから、以来いつも一緒に毎日を過ごしている。
時々小生の部屋にやってくるのだが、あるとき流れる音楽に耳を傾けているのに気がついた。「柴犬」は「聴導犬」としても活躍するぐらい際立って音に敏感な犬で、ピンと立った耳が、左右異なった動きをして音の方向ニ照準を合わせるのを発見し、驚いたものである。
まるで集音マイクのような働きをするのか、左右の耳を変化させながら音楽を聴く。
ある日のこと「F・コンヴィチュニー」が指揮をする「ブルックナーの5番」の交響曲を聞いていた時にそれは突然起こった。Ⅰ楽章の金管楽器の咆哮の部分がスピーカーからかなりの音量で流れた時、「シバ」が今まで聞いたことのないような泣き声を発したのだ。
それは遠吠えのようだが、音楽にあわせて歌っているようにも思えるほどであった。
同じ曲を異なる演奏で鳴らしてみたが、反応は「F・コンヴィチュニー」の演奏だけだったので、勝手に「我が家の愛犬はコンヴィチュニーが好き」と決め込んでいた。
それからしばらくたち、理由有ってブルックナーの4番の交響曲をアレコレ聞いていて、比較的珍しい「レーヴェ版」を採用した「クナッパーツブッシュ」と「ベルリンフィル」1944年録音を聞いていた時、曲が最終楽章の後半に差し掛かり、強奏で高みに上っていくとこで、ピクピクさせていた耳をよりまっすぐに立てて静止したとたん、突然一声発して、さらにリピートの部分では短く遠吠えを発したのである。
2つの演奏に共通するものといえば、「テンポ設定のよさ」そして「録音状態」であろうか。特に録音は両者ともに余りよくなく、金管楽器の咆哮などでは音のひずみ、そしてノイズを拾っていて、通常の「倍音成分」以外の音が多分に乗っているようだから、それに反応したのかもしれない。それに最新のデジタル録音のCDではこのようなことはないので、正規のピッチではない音に反応したのかもしれない。
しかしそのような科学的分析をするよりは「ブルックナー好きな犬」としておいた方が、家族の幸せだから、そうしておくことにする。
「クナッパーツブッシュ」「ベルリンフィル」1944年録音
この4楽章後半部分で、「シバ』が反応する。
by noanoa1970 | 2006-06-26 15:40 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(1)