「パルジファル」第3幕

最終幕であるが、VTRテープが切れて見ることが出来なくなってしまったので、適当にデジカメで撮った映像が途中までしか残っていない。

第3幕は、第2幕で「パルジファル」によって「クリングゾル」の催眠術から半分開放された魔女「クンドリ」が彷徨いながら、モンサルヴァート城下の、泉の森に姿を見せるところから始まる。「クンドリ」に対しては当初から好意的だった城の老騎士グルネマンツは、弱った「クンドリ」を介抱する。
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老騎士「グルネマンツ」が「クンドリ」を見つけ気付け薬を与え、介抱する

そのとき彼方から武装した「パルジファル」が聖槍を携えてやってくる。やがて、かつて聖杯の儀式で何も奇跡を起こすことの無かった白鳥殺しの若者を追放した老騎士「グルネマンツ」は、その武装した男があの若者だということに気づく。
若者は「パルジファル」と名乗り、救世主としてモンサルヴァートにやってきたことを告げる。
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幾多の苦難を乗り越えて、聖槍を守りながらたどり着く「パルジファル」

老騎士「グルネマンツ」はこの国の現状を「パルジファル」に語り、催眠術から介抱された「クンドリ』が水を汲んで、「パルジファル」を浄め、自分も「パルジファル」から浄められる。
ここが「洗礼の儀式」で、このとき「聖金曜日の音楽」が流れる・・・・のだが、残念なことにその直前でテープが切れたので映像がこれ以降は無い。。
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老騎士「グルネマンツ」と「クンドリ」そして「パルジファル』が再会するシーン
水を入れた壺を持っている「クンドリ」の姿は「聖母マリア」を投影させる。
下の写真は、クラウディオ・シモーネ指揮のペルゴレージの「スターバト・マーテル」そしてミシェル・コルボの指揮によるヴィヴァルディの「スターバト・マーテル」のCDジャケットである。
元の絵画の作者は不明だが、「聖母マリア」を描いたもの。
「ハリークプナー」演出の「パルジファル」における「クンドリ」の表情にソックリだと思いませんか。
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これ以降はテープが再生不能となりれ、映らなくなってしまった。

この後のストーリーは・・・聖槍の力で王「アンフォルタス」の傷は癒え、「クンドリ」は魔術から本当に覚醒し、死を迎える。「パルジファル」は「アンフォリタス」に変わりモンサルヴァート国王となる。

さてこの物語の見方であるが小生は

「パルジファル」を「イエスキリスト」の再来
モンサルヴァート城の老騎士「グルネマンツ」を「ペテロあるいはパウロ」
「クンドリ」を「聖母マリア」を投影した存在「アンフォルタス」は、国王でなく、聖槍を奪取されてしまった3種の神器の守護神官であると考える。
「聖櫃・聖杯・聖槍」がそれであり、はじめ台座と思ったものが実は「聖櫃」であった。

注目すべきは「クンドリ」で第1幕と2幕そして最終幕では全くそのキャラクターが変化し、第3幕では、まるで「マリア」のごとく描かれている。・・・写真でお目にかける予定であったが、テープが再生不可能となったので、言葉で補足するが、演出効果は歴然としている。

この演出家は、魔女扱いされた「クンドリ」に潜む「マリア的母性」をかなり意識して脚色したと思われる。作家名は忘れてしまったのだが、以前、「イエスキリスト」を、どうしようもない「無知でバカで、マヌケな男」、偶然のようにして救世主に祭り上げられたということを書いたものを読んだことがあるのだが、「パルジファル」の「無垢で世間知らずの若者」と少し重なるところを思い出した。純粋無垢だからこそ、「救世主」たることができるということなのか。

ここは記憶が十分あるのだが、最後の場面は、「救済者に救済を」と国民が合唱して歌うのである。この意味の解釈が非常に難しい。
「救済者」が「救世主」をさすのでなく、「救済されるもの」すなわち「非救済者」とするなら話は早いのだが、ここはやはり「救済者=救済する側」とするのが良いのだろうから、そうなるととたんに難しくなってきて、頭を悩ませるのである。
「輪廻転生」、あるいは「無常」のようにも取れて、さらに悩むところである。。
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by noanoa1970 | 2006-04-15 11:15 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(1)

Commented by noanoa1970 at 2006-04-18 14:18
TBありがとうございます。生で、ラトルで、ウイーンで、ご覧になられたとはうらやましい限りです。「反キリスト教」的演出・・・とても興味があります。イベリア半島は、イスラム、ユダヤ、そしてキリスト教の融和と対立の歴史の土地でもありますし、「ロ-エングリン」にも宗教戦争の反映がありますから、そのあたり小生が興味を持っているところであります。
ワーグナーの中の「異教徒」の扱い、演出の違いもまた面白いです。