ラヴェルの「子供と呪文」のティーポットとティーカップ

子供の「いたづら」を題材にしたこの小さなオペラは「コレット夫人」の作った台本をもとに、「ラヴェル」によって作曲された。少年は母親に反抗してばかり、周りの動物植物静物などに当り散らし、わがままな破壊行為をするのだが、やがていけないことと知った少年は、最後に母親の胸に飛び込む、というお話。
d0063263_13584543.jpg

d0063263_13585990.jpg

幼児虐待、子供の親殺しとは無縁の世界であり、とても高感度の高い音楽である。

物語には多くが登場するが、母親と子供を除くと他は全て動植物及び、静物。それらが擬人化され、怒りや悲しみを訴える。
中に「ティーポット」tp「ティーカップ」が登場し、子供によって木っ端微塵にされた恨みつらみを歌うところがある。
「ティーカップ」はそこで「マージャン」「ハラキリ」「セッシュウ」「ハヤカワ」と、中国語と日本語の混ざった言葉で歌い、其れが恐らく「コレット夫人」のオリジナルと思うのだが、小生が聞いた「ペーター・マーク」の演奏では「ハラキリ」「セッシュウ」そして「フジヤマ」と歌わせている。
「フジヤマ」としたのは誰だったか?
小生はこの犯人は「ラヴェル」自身であっただろうと推測する。

「セッシュウ」は「ce・sur」とフランス語でもなじむが、「HARAKIRI・HAYAKAWA」では最初のHを発音しないから「ARAKIRI・AYAKAWA」となり「早川雪舟」のイメージが音楽的に薄くなる。そこでラヴェルは其れを嫌って片方を日本の象徴でもある「富士山」=「フジヤマ」を後に当てたのではないかと思うのだ。

またここで登場する「ティーポット」はBLACK!BLACK!と叫び、これを黒人のボクサーとする向きもあるのだが、小生はこのポットをイギリスの「ウエッジウッド社」製の「ブラック・バサルト」=「黒玄武岩」を原料にした「磁器」のことであると思う。d0063263_13263251.jpg

そして「ティーカップ」は「中国茶碗」ではなく、「CHINA]=海外では陶磁器を広く指し、「ティーカップ」が「ハラキリ」「セッシュウ」「ハヤカワ」または「フジヤマ」と叫ぶことから、日本製の「輸出磁器」これはあくまで推測だがd0063263_13271773.jpg「薩摩焼」のティーカップであったのだろうと思う。
「薩摩」のーティーカップ」・・・輸出品は全て六客セット、輸出戻りの骨董品をもう少しで購入するところを、同じ里帰りの「九谷」に化けたことがある。外国人には「薩摩」はとても人気があったそうで、「パリ万博」にも出品されたという。
お里帰り=(江戸から明治期に輸出したものを、ヨーロッパで買い付けで日本に戻ったもの)の「九谷」のティーカップ&ソーサーは、六客1セットで、「ボーン」でなく「玉子の殻」を入れて、ものすごく薄く、白く、硬く焼いてあり、透けて向こうが見えるようなものである。

模様が「あやめ」か「杜若」なのでシーズンになればお見せしようと思う。
[PR]

by noanoa1970 | 2006-02-19 07:00 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(2)

Commented by さんご at 2006-03-01 14:17 x
すごいです。
オペラからティカップ&ポットのお話まで綺麗につながるなんて。
知識が豊かなのですね。
Commented by noanoa1970 at 2006-03-02 09:31
さんご さんのBLOG拝見しました。
グルメの話題満載でとても楽しいです。小生も「食」大好きで、ほとんどを自作できます。「NOANOA」について書いているのも是非ご覧ください。京都に行かれたら、是非お立ち寄りを!
またBLOGにお邪魔します。
ありがとう。