「ジョルジュ・オーリック」をご存知?

クラシックファンなら「フランス6人組」という呼び名を聞いたことがあり、さらにそのメンバーが
・ルイ・デュレ(Louis Durey, 1888年-1979年)
・アルチュール・オネゲル(Arthur Honegger, 1892年-1955年)
・ダリウス・ミヨー(Dalius Milhaud, 1892年-1974年)
・ジ・ェルメーヌ・タイユフェール (Germaine Tilleferre, 1892年-1983年)
・フランシス・プーランク(Francis Poulenc, 1899年-1963年)
・ジョルジュ・オーリック(George Auric, 1899年-1983年)
であることもご承知のことと思う。

『この6人の作曲家たちを「ロシア5人組」になぞって「フランス6人組」=「Le Groupe Des Six」と名づけたのは、評論家のアンリ・コレ(1885-1951)である。1920年1月の「コメディア」誌に彼はこの名称で6人を紹介し、本人たちの知らぬ間に「6人組」は結成された。共通の友人で詩人のジャン・コクトー(1889-1963)は、「ル・コック」という機関誌を作って音楽論を展開し、「6人組」の宣伝をする。
 しかし6人に共通の美学や趣味があったわけではなく、いつも集まっていた仲のよい友達にすぎなかった。』

意外なことに6人が一堂に会したのは立った1回のみであったという。19世紀末あるいは20世紀初頭はこれらを含む各種会派が乱立し、群雄割拠、百花繚乱を呈した。それぞれに「仕掛け人」の存在が見え隠れする。

さて「6人組」のなかで比較的有名でよく作品が聞かれるのは「オネゲル」。「プーランク」そして「ミヨー」であるが、他の3人の作品にめったにはお目にかかることは現在のように情報過多な時代になっても少ない。

小生も3人の中では紅一点の作曲家「タイユフィール」しかしらない。
この中で特筆したい作家がいてそれが今日取り上げた「ジョルジュ・オーリック」である。

ズバリいえばこの人の作品を聴いたことのある人は、かなり多いはずだ・・・ということ。しかもクラシックファン以外に・・・というと驚かれるかもしれないが、それは事実である。
40代以上の昔外国映画をよく見に行った人たち。あるいは年代を問わずの映画ファンであれば必ず聞いている・・・はずなのが「オーリック」の音楽なのだ。

ソロソロ種明かしをしよう。
それには「オーリック」」の劇伴音楽を使った映画の題名を上げれば済むことなのだ。多分多くの人はそれらの中のどれかを見ているはずだと思うのであるから、意識しようとしまいと「オーリック」の音楽を聴いていることになるのだ。

以下に「オーリック」の「劇伴音楽」を使用した映画作品を列挙する。
クリスマス・ツリー(1968) ■ 女と女(1967) ■ 悪のシンフォニー(1966)
■  大進撃(1966) ■ マインド・ベンダース<未>(1963) ■ 火刑の部屋(1962)
■  回転(1961) ■ クレーヴの奥方(1961)
 さよならをもう一度(1961) ■  太陽にかける橋(1961)
■  オルフェの遺言-私に何故と問い給うな-(1960) ■  恋ひとすじに(1958) ■  旅(1958) ■  月夜の宝石(1958)
■  悲しみよこんにちは(1957) ■  気球に乗って来た王子<未>(1957)
■  宿命(1957) ■  白い砂(1957) ■  スパイ(1957)
居酒屋(1956)
■  ノートルダムのせむし男(1956) ■  ピカソ-天才の秘密(1956)
■  光は愛とともに(1956) ■  街の仁義(1956)
歴史は女で作られる(1956)
■  戦いの鐘は高らかに<未>(1956)■  男の争い(1955)
外套(1955)
■  アンリエットの巴里祭(1954) ■ 善人は若死する(1954)
■  桃色大王(1954) ■ 恐怖の報酬(1953)
■  ローマの休日(1953) ■ 赤い風車(1952)
■  七つの大罪(1952) ■ 夜ごとの美女(1952) ■ 恭々しき娼婦(1952)
■  オルフェ(1949) ■ 娼婦マヤ(1949) ■ 恐るべき親達(1948)
■  想い出の瞳(1948)■  スペードの女王(1948) ■ 脱走兵(1948)
■  賭はなされた(1947) ■ 双頭の鷲(1947) ■ 乱闘街(1947)
■ ルイ・ブラス(1947) ■ 田園交響楽(1946)
 美女と野獣(1946) ■ 憂愁夫人(1946)
■ シーザーとクレオパトラ(1945) ■ しのび泣き(1945) ■ 血の仮面(1944)
■ 悲恋(1943) ■  俳優入門<未>(1938) ■ 巴里の秘密(1935)
■ 乙女の湖(1934) ■ 自由を我等に(1931)
■ 詩人の血<未>(1930)

時代の新しいものから並べ、小生が見た映画を「太字」にしてみた。
あまり映画を見ない人でも、「ローマの休日」・・・ ウィリアム・ワイラー監督、オードリー・ヘプバーンとグレゴリー・ペックの主演。を見ていない人は少ないと思う。
この有名な映画の劇伴音楽を担当したのが「オーリック」である。
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小生は、「オーリック」の音楽音楽でそれだけが単独で耳に残っているものはまったくといっていいほどないのである。
つまり知らない間に「オーリック」をたくさん聞いていたのだが、「音楽」だけを切り離して聞いたことが一切ないのである。これはとても不思議なことで、なぜかと問う手見ても容易に答えが見つからない。「オーリック」の音楽がつまらなく目立たないからか・・・それともその逆で映画のその「場面描写」とピッタリと合致しているために、映像も音楽も単独では成り立たないということか・・・今も謎である。

d0063263_184945.jpg1曲だけ小生が昔から覚えていて忘れない曲が有る。其れは「ムーランルージュの歌」
「フランク・チャックスフィールド・オーケストラ 」あるいは「パーシー・フェイス楽団』のいづれかの演奏を聴いていたことによるものだ。しかしその曲が「オーリック」の作った曲とは知らないままずいぶん時が経った。
赤い風車(1952) 「ロートレック」d0063263_185225.jpgの半生を描いた作品。「赤い風車」の看板のキャバレー「ムーランルージュ」に現れる「ロートレック」が、ナプキンなどそこらじゅうの紙にスケッチする描写が凄い。
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by noanoa1970 | 2006-02-04 21:00 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(2)

Commented by Tom5k at 2006-04-15 22:59
はじめまして、トム(Tom5k)と申します。TBさせていただきました。
わたしは、アラン・ドロンのファンでして、彼と当時の恋人ロミー・シュナイダーの共演による『恋ひとすじに』のジョルジュ・オーリックが好きです(というか、それくらいしか知らないのですが)。こちらでいろいろと勉強させていただきました。ありがとうございました。
『恋ひとすじに』では主人公の男性の死のカットで『5番』が使われていたり、その恋人が『アヴェ・マリア』などを歌うカットがあり、映画のクラシックの魅力に取り憑かれています。
Commented by noanoa1970 at 2006-04-18 14:09
Tomさんコメント、TBありがとうございます。小生は「ドロン」が大好きというわけではないのですが、「冒険者たち」は彼の出演作品の中で一番好きです。「リノ・ヴァンテュラ」との饗宴が「ドロン」トノシナジーをより田掛けているように思います。「冒険者たち」のBLOG拝見しました。とても奥が深い視点で書かれていて、気づきがとても沢山ありました。