世界初の劇伴音楽【ギーズ公の暗殺」

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1908年にパリで設立され、1913年まで存続した映画製作会社フィルム・ダール(Film d'art )の作品。当然「サイレント」である。この映画の音楽は、「カミュ・サン=サーンス」が書いたものである。恐らく世界初の「劇伴」「映画音楽」ではなかろうか。
曲はイントロダクションを経て1話から5話まで5つの部分に分かれる。何かを予感させるようなチェロとクラリネットのモノローグの始まりは、サン=サーンスらしさがあまり無いが、すこしたつと、やはり「サン=サーンス」の「香り」が出てくる。

3番の交響曲に秘められた「神の怒りの日」のような暗さと、其れを隠してしまうような美しいメロディが交差する。映画を見ながら聴けばキットもっと違う雰囲気だろうと思うが、映画をまだ見ていないのが残念だ。
音楽(場面)の終わりのときに極端に落としていくテンポは、思わせぶりな映画のシーンを推測させるようで面白い。

ピアノで奏される低音のトレモロにも陰鬱な動機を思わせるものがあり、大胆な半音階の使用にも、惹かれるものがある。

TVの2時間サスペンスドラマ、風なところもあって少し可笑しかった。室内楽で聴いたのであるが、実際はオケの演奏だとすると、もっとダイナミックになるはずだ。「レクイエム」のような感じを出したあと、早足で駆けるようにて音楽が終わる。

「ギース公暗殺の背景」
スペインのフェリペ2世の無敵艦隊がフランスの海岸をゆっくりと遊戈していた。狙いはイングランドのエリザベス女王。しかし、フランスにとってもこれは脅威であった。カトリック派の貴族の首領でもあった「ギーズ公」はフランス王「アンリ3世」にとって脅威であった。「ギーズ公」はブロワ城に三部会を招集することを「アンリ3世」に要求した。3部会ではギーズ公派の方が多く、国王派は全議席の4分の1も占めていなかった。

アンリ3世はギーズ公の暗殺を決意する。ブロワ城のなかの隠れ小部屋に45人隊を引きこみ、「ギーズ公」が1人になるように仕掛けたところを一気に襲いかかった。そして、弟のギーズ枢機卿も引き続き暗殺された。2人の死体は切り刻まれ、焼かれ、灰はロワール河に投げこまれた。ランソワ・ド・ギーズは1563年に暗殺されるが、その背景というのは「宗教戦争」のようだ。
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「ブロワ」とは、ケルト語で狼を意味するという。城のネーミングからもケルト民族の隆盛が偲ばれる。
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by noanoa1970 | 2006-01-25 13:18 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(0)