「魔王」雑感-9最終章

アイリッシュ・オールド・バラッド「ロード・ランダル」の話は以下のようである。
領主の息子「ランダル」はある日、(禁断の)緑の森の奥深く迷い込んでしまう。そして・・・・

「ああ何処へ行っていたの、ランダル卿、わたしの息子
何処へ行っていたの、わたしの綺麗な若者よ」
「緑の森に行っていました。母様、ベッドをしつらえて下さい。
僕は狩りで疲れました、横になりたいのです」
・・・・・・・母親が問い詰めていくにしたがって、「ランダル」が愛人に毒を盛られて死につつあるという恐ろしい真相が暴露されていく、というストーリー。
「ウナギの毒を盛られたという具体的な話も別途存在する)
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結婚を明日に控えた「ランダル」が「心を奪われる女性」≒「美しい女性に化けた森の精霊か?」に遭遇したたのは「緑の森」。アイリッシュおよびスコティシュバラッドでは、緑は「妖精の色」。、森=「緑の場所」は「妖精」「フェアリー」が住む場所すなわち異界、魔界である。ここに無造作に足を踏み入れてしまうと、・・・タブーを犯すのだからとんでもない「災い」を招くことになる。。
古代から中世の人々にとって「森」とは、「生と死」「この世とあの世」がマージナルする「聖域」であったのである。
しかし一方では、「さすらい人」や「非常民」たちを受け入れる世界でもあxった。
「一般人=常民」たちを脅かす「魔界」であったことは、「童話」の世界でも語られることが多い。

古代森で暮らす民、「山の民」は自分たちの環境で最も大切なものを彼らの「トーテム」として信仰の対象としていた。・・・インディアンの「トーテムポール」を想像されたい・・・
彼らは「自然」を・・・「食糧」としての「動植物」あるいは家屋のための丈夫な「木々」等をその種族のシンボル=「トーテム」としたのだ。

彼らの作り出した「物語」は長い歴史の中で「神話」へと変わっていき、有る時期・・・・キリスト教の勢力支配の元で、伝承されてきた彼らの物語はさらに「神話化」され「悪魔」「魔女」「妖精」へと都合よく変身させられていったのであろう。

そのときの「残像」がその形を変化させながら、いまも伝承されている。
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なお「魔王」雑感に貼り付けた「絵画」は「詩人グエルの世界」より、拝借させていただきました。下記URLです。とても「不思議な、感性を刺激」する絵です。是非ご覧ください。
http://guel.ld.infoseek.co.jp/
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by noanoa1970 | 2005-11-17 09:01 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(0)