「魔王」雑感-2

なお「漁師の娘」における「水男の歌」の内容は、北欧神話をモチーフにしたという「彷徨えるオランダ人」と似たところがある。
小生はこれがワーグナーのオペラの「最初の原型」であったのではないか思っている。
内容は、
「水の精」である水男が人間の騎士に化けて陸に上がり娘をかどわかすというもの。水男の化けた騎士に娘が愛を誓うと、水男は娘を水の中に連れ込んでしまう。・・・・北欧の伝説を民謡にしたものらしい。

「オランダ人」では「水の精」が「キリストの神」を冒涜したオランダ船の船長へとモディファイされ、、「神」にそむいた罪と罰として永遠に海を彷徨うことになり、7年間に1度だけ上陸を許される・・・という「亡霊」的存在となる。船長であるオランダ人に献身的な愛をささげる女性とめぐり合えば、その罪と罰は救済される。というもの。

いかにも北方海洋民族の伝説らしい話である。

小生はこの「民謡」とされるゲーテの詩のオリジナルが「北欧民話」あるいは「北欧神話」である、ということに大変興味を持った。「北方ゲルマンの神話」には、キリスト教勢力が政治、経済、文化などのあらゆる面で、その支配を強める前の文化遺産が、時とともに変貌しながらも、わずかながら「民間伝承」などの形で残っていることが指摘され、このことは古代ヨーロッパを席巻した「ケルト民族」が残した文化遺産が、「アイルランド、スコットランド、ブルターニュ地方」で「オールド・バラッド」等となり歴史を超えて語り継がれてきたことと合致する。
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この地方のキリスト教化は支配ではなく融合であったことが其れを助長してはいるが・・・・そこが他の地域のキリスト教化とは異なるものの、中にはオリジナルに近い形で伝承されるものもあるようだ

なお「魔王」雑感に貼り付けた「絵画」は「詩人グエルの世界」より、拝借させていただきました。下記URLです。とても「不思議な、感性を刺激」する絵です。是非ご覧ください。
http://guel.ld.infoseek.co.jp/

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by noanoa1970 | 2005-11-10 09:00 | 徒然の音楽エッセイ