シューベルトの謎と秘密-2

ここ最近のニュースは16歳の少女による「母親毒殺容疑」の話題でいっぱいだ。
これについての言及は避けたいところ。ちょうどシューベルトを書きつつあるので、関連というわけでもないのだが思いついたのが、シューベルトの歌曲であった。

シューベルトは14歳の若さで、『父親殺し』という歌曲を作ったことをご存知だろうか?
あの「ロマンとリリシズムあふれるシューベルトが・・・」である。ここにもシューベルトの秘密と謎が隠されているようだ。

・・・・「ある父親が息子の手によって殺された…」
「父が僕たちを食事に連れて行った。弟は大喜びが僕は悲しかった。父が食事を楽しむよう命じた。ぼくはそれができなかった、怒った父は僕を追い出した。ぼくは同じように食事を拒む者への愛を胸に抱いて、さまよった。
母の死の知らせが届いた。母に会うために僕は急いだ。父は、僕が家に足を踏み入れることを許した。僕は彼女の亡骸を見て目から涙がこぼれ落ちた。
この時から僕はまた家にとどまった。父は僕をお気に入りの庭へと連れて行った。気に入ったかと尋ねて来たが、庭はとても不快だった。何も言わないでいたら、何度もきいてきた。庭は気に入ったか?僕は震えながらそういわなかった。
父は僕を殴ったので逃げた。同じように庭を拒む人への愛を胸一杯に抱いて、再び遠くへとさまよった。歌はもうずいぶん歌った。愛を歌おうとすると、それは苦悩へと変化して、苦悩を歌おうと、愛となった。こうして愛と苦悩は僕を迷走させた。


このことから読み取れることは、シューベルトが「トラウマ」として持っていた「絶望感」「死への憧れに近い感情」、「だが自らは死に切れない」、「そしてひたすら彷徨う」・・・「さすらい」「放浪」「自分に圧力を加える権力に対しての反抗に(抗しきれないがゆえに)憧れを持つ」「父権への反抗と母性への憧憬」
これらがシューベルトの音楽に見られる特性であろうことは、次の機会に譲るが、彼の多くの作品には其れが顕著に現れるのである。

キーワードは
「長・短・短」
「死と乙女」
「魔王」
「グレート交響曲」
「未完成交響曲」
「さすらい人幻想曲」
そして一連の「ミサ曲」・・・などである。

                  続く
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by noanoa1970 | 2005-11-06 09:14 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(0)