ベートーヴェンの「秘曲」と8番交響曲

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ベートーヴェンの7番の交響曲の素材のルーツを探るべく「25のアイルランドの歌」そして「20のアイルランドの歌」を聞いてみたが其れらしきものは見当たらなかった。このCDにはそれらの全曲でなく14曲と9曲の抜粋であったから、ひょっとして漏れてしまったのかもしれない。
もくろみは失敗に終わったが、また大発見をすることになって得をした気分になった。
其れというのは、「25のアイルランドの歌」のCDの最初に収録されていた50曲以上有る「カノン集」の中に有るカノン「タ、タ、タ…親愛なるメルツェルよ、ごきげんよう(Ta ta ta...lieber Malzel, leben Sie wohl*)」WoO.162(1812)が聞こえてきたとき、探していた7番の交響曲の素材でなくて、8番の交響曲の2楽章冒頭のメロディと同一のものを聴いたからであった。

有る情報によるとこのカノンは「贋作」であり、本当の作者は弟子の「シントラー」であるというが、その真偽のほどは不明である。またここに出てくる親愛なる「メルツェル」の人物像を調べると、とても面白いことが分かった。
メルツェルとはあの「メトロノーム」を発明した人だったのである。どうりで、このカノンの「タ、タ、タ…」と童謡に、交響曲の狂いの一切ないリズムを刻むような2楽章(アレグレット・スケルツァンド)の冒頭の音楽の意味合いが納得できたのである。

交響曲8番の作曲が
交響曲第8番ヘ長調Op.93(1811~12/1813初演
「タ、タ、タ…親愛なるメルツェルよ、ごきげんよう(1812)が
1812年であるから同時期の作品であり、メトロノームを思わせるような音楽からすると、どこかの国の民謡のアレンジなどでなく、メトロノームを発明した「メルツェル氏」を想定したオリジナル作品といっていいと思われる。

しかし作者はベートーヴェンなのか、それともシントラーなのか?
小生はベートーヴェンでなければ「ツェルニー」ではないかと思っている。
ピアノの教則本をテキストとしてピアノを教えるためには「メトロノーム」は無くてははならないもの、ツェルニーはメルツェルに恩義を感じていたのではなかろうか?
・・・しかしこの音楽には少し冷かし気味なところが有るので、このカノン・・・ベートーヴェンが「おいそんなものは音楽をやるには必要ないよ・・・」と言いそうなアイロニカルな彼の作品であると、やはり思うのである。

でも・・・どことなく「アイルランドの古謡」的なところがあるのも、アイリッシュミュージックが好きでよく聴く小生にはそのように思えるのも正直なところである。
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by noanoa1970 | 2005-10-05 10:39 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(3)

Commented by yurikamome122 at 2005-10-05 22:15
ひょっとして大発見ですか?。そのCD欲しいです。どこかで手に入りますか?。
Commented by noanoa1970 at 2005-10-06 08:47 x
コメント有難うございます。大発見というのは個人的なものでして・・・・
このCDは確か2年ほど前に発売されたものと、記憶します。
[unbekannte meisterrwerke]と題する9枚組みです。「edelクラシックス」からの発売・・・ノイマン、ヘルヴィッヒ、コッホ、マズアなどの寄せ集め=オムニバスです。オラトリオ「オリーヴ山のキリスト」も収録されており、確か4000円未満だったと思います。小生は京都の十字屋で偶然見つけ購入しましたが、大手CDショップにあると思います。
Commented by yurikamome122 at 2005-10-06 12:51
ありがとうございます。早速探してみます。