ベートーヴェンの「秘曲」と「英雄」交響曲

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数年前に「ベートーヴェンの秘曲集」というタイトルの9枚組みのセットCDが発売されたので、ある興味を持って入手した。
その興味とは第7番の交響曲に「アイルランド」の民謡が使用されているという話を音楽雑誌で読んで気になっていたからである。このCDには「20、25のアイルランドの歌」が収録されていたのであった。
先ほどそのCDの3枚目を聴いていたときのこと、突然あの聞き覚えの有る・・・何回となく聴いた有るメロディが耳に飛びこんできた。
其れは紛れもなく「英雄交響曲4楽章の第2テーマ」そのものであった。
その曲が収録された曲のタイトルは
「12のコントラダンス曲集 WoO14」・・・その第7曲が其れであった。
「コントラダンス」とは聴きなれないので、調べてみると・・・d0063263_19364310.gif

「コントラダンス」は向かい合った2列の長いラインの形で踊るダンスで、その始まりは14世紀の中頃と言われている。
舞踏の歴史的にはコントラダンスはメヌエットの次の世代の踊りとして、18世紀後半から19世紀にかけて大変流行したものとされている。
その発祥はアイルランド、スコットランド、イギリスなどで生まれた「カントリーダンス」が大陸に伝えられてからの呼ぴ名。しかしその踊りのは決して「田舎の踊り」などではなく、宮廷でも好んで踊られた社交舞踏であるという。

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コントラ=「contore」tanzeとは「countory
のドイツ語表現であろうか?
現代では「スクエアダンス「」・・・そういえば「デイヴ・ブルーベック」のJAZZに「アン・スクエアダンス」という曲もあった・・・としてその伝統は引き継がれているという。
小生は、カントリーミュージックやブルーグラスミュージックで踊るシーンはこの「スクエアダンス」の1種であるし、アイルランドの「リバーダンス」もこの範疇に入ると思っている。

作品年表で見ると、以下のように交響曲の方が2年ほどその完成が遅いので、この「12のコントルダンス」の中の7曲目を交響曲の4楽章の第2テーマの下敷きにしたことはほぼ間違いないと思う。
・「12のコントルダンス」(12 Kontratanze*)WoO.14(1801~01/1802出版)
・交響曲第3番変ホ長調Op.55「英雄(Eroica)」(1803~04/1804初演/1806出版)

小生は・・・これは大いなる推測に過ぎないのだが、「コントラダンス」の発祥の地=グレート・ブリテンから「踊りのスタイル」も「そのメロディ」もあわせて大陸に持たらされたものを、ベートーヴェンが、「アイルランド民謡」「スコットランド民謡」を積極的に編曲したように、この大交響曲にアイルランドかスコットランドの民謡を使用したのではないかと考えている。他にも例があるかもしれないので、次は、「25のアイルランド民謡」を聴いてみることにする。
7番交響曲の「素材」を発見できるかもしれない。
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「英雄」を聞かせてくれる演奏数ある中で、小生はF・コンヴィチュニー/SKDの録音をとても気に入っている。ただし、録音も古くモノラルだし、万人向けの音楽とはとてもいえないが・・・
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by noanoa1970 | 2005-10-04 09:46 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(2)

Commented by Schweizer_Musik at 2005-10-12 08:59
フランツ・コンヴィチュニーのこの盤を私も持っています。実は、これがコンヴィチュニーの録音の中で一番良いものだと思っています。録音はモノラルであるとはいえ、私は中々よいバランスで録音されていると思います。旧録音の中ではあと「田園」が私のデフォルトになっていて、他のどんな素晴らしい演奏でもやはり最終的にこれに戻っていくのです・・・。
良い指揮者なのですが、今ひとつ人気が出ないですね〜。
Commented by noanoa1970 at 2005-10-12 15:12
Schweizer_Musikさんコメント有難うございます。
小生はコンヴィチュニー大好き人間でもあります。SKDとの「英雄」お持ちとは・・・旧友に合ったような気分です。多分この人の演奏は「自由の中の規律」なる彼の演奏語法を感じることが出来たら、とりこになるのだろうと思っています。バンベルク響との「新世界」チェコフィルとの「グレイト」等、ジックリ聴いてもらいたいといつも思っています。先日京都の大手ショップの歴史的指揮者コーナーに、コンヴィチュニーのプレートが無かったのには流石にガッカリさせられました。来日時の録音の復刻・・ブラ2・3番がとても聴きたいNOANOA でした。
意外と良いのはチャイコの4番でバリバリのコンヴィチュニーが聴けます。