ドデカフォニーを雅楽に取りれた音楽

松平さんは、先の柴田南雄さん同様12音技法を取り入れた一人である。
「越天楽」を主題とする変奏曲にそれを応用し使用した。
楽器の音程があ揃わないところからくる微妙な音のズレは西洋音楽と違いおとのモアレのようで、それが美しい響きを出す。

雅楽演奏の特徴は開始の音より少し低い音でせり上がってその音にするが、多分これは楽器の持つ特性・・ジャストな音程調性が困難なことから、探るようにして音程を合わせるということであろうと思う。

各楽器の音程が違うのは、発展させると多調、無調にも通じるところがあるのではないだろうか。
そしてこれは雅楽の特徴を西欧風に言うところのヘテロフォニーの発展系でもあるのではないか。

この楽曲は変奏曲だから、全てが12音技法で作られてるのではないから、非情に聴きやすいと同時に、雅楽の調性が段階を踏むに連れ12音とマッチングしていく様子がよく分かる。
日本の古来の音楽に無理やり技法で捻じ曲げよう、あるいはミ融合しようとしたことより、雅楽のヘテロフォニーとドデカフォニーの相性に目をつけた松平さんは鋭い。

第3変奏から12音が使用されるが、最初の主題はいつもついて回り、頭で考えた理屈の12音ではなく、音楽性が有るのがこの曲の良い所だ。

西欧の12音主義者のように捏ね繰り回したやり方では、たまに偶然的にしか美しい物にはならない。
12音技法は音楽のためのたった1つの技法にしか過ぎないから、使いようが求められる。

変奏曲としながらも、決して最初の主題を忘れることのない松平さんの手法は鋭いシナジー効果を発揮したようだ。

B面には「催馬楽によるメタモルフォーズ」、これも変奏曲の一種だが、収録されている。

演奏は山田和男指揮東京交響楽団、ピアノは窪田江美子
第19回芸術祭参加とあるので1964年以前の録音であろう。


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by noanoa1970 | 2013-01-13 16:41 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(0)