クラシック音楽永仁の壷事件再び


上のタイトルについては、2006年に取り上げたが、その際、音源を付けることが難しかったので再度取り上げることにした。

d0063263_1934459.jpg

対象になるのは、チェルニー=ステファンスカの弾く「ショパンピアノ協奏曲第1番」。
ヴァーツラフ・スメターチェク指揮、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏。
これをリパッティが弾いたものとしてレコード化し6万枚近く売れたという。

1970年代まではこの演奏を「ディヌ・リパッティ」の発掘音源とされて、小生もそれに違わず1967年に入手した。
しかし」1980年代に、アマチュア愛好家がこの録音を聴いて、「リパッティ」ではなく「ステファンスカ」だという投書をBBCに送ったところ、それがきっかけで検証した結果、投書の人の言うとおり、ステファンスカの演奏と判明したという曰く付きの音盤だ。

ことの内容は以前ブログ「クラシック業界永仁の壺事件」にも書いたが、
「竹内貴久雄の音楽室盤歴50年のレコード・CDコレクター、音楽研究家・評論家の様々な著作のアーカイヴ。気まぐれに「雑感」「貴重資料」も掲載。」
の2009年03月03日のブログに更に突っ込んだことをお書きになられているので参照されたい。
この方は雑誌「LP手帳」と関係があるようだ。

さてこれが問題のリパッティの音源(本当はランドフスカ)の演奏である。


これが新たに発見された、リパッティ/アッカーマンの音源。

両者を聴かれて、明確な違いがお分かりになると思われるが、それは比べてのことで、単独ではかなり難しいのではないだろうか。

[PR]

by noanoa1970 | 2012-12-12 19:56 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(12)

Commented by Abend5522 at 2012-12-12 23:49
sawyer様、こんばんは。
ピアノのアプローチ全く違いますが、リパッティのピアノを聴いた経験が豊富な人でも、評論家のお墨付きとともに発売されると、「これはリパッティの演奏ではない」という心理よりも、「リパッティはこういう演奏もしたのか」というそれの方が働いてしまいますね。以前に私が少し取り上げた、べト8のクリュイタンス盤がフルヴェンのものとして売られたことにも通じるものがあります。
Commented by noanoa1970 at 2012-12-13 06:10
Abendさま、おはようございます。
EMIのレッグがリパッティの奥さんに確認したとのことですから、プロと言われる諸氏も騙されたのでしょうね。竹内氏によると、EMIが多額の賠償金を支払って決着したとのことですが、6万枚も騙されて購入した人に対するお詫びがなかったのか、細菌のコンヴィチュニーのブル4事件と合わせると、レコード会社のCSRはなってないですね。恐らくまだ気がついてないミス、山ほどあるのでしょうね。
Commented by noanoa1970 at 2012-12-13 06:12
面白い情報を掴みました。
FBに書き込まれたものです。
「ルディー・ヴァン・ゲルダー」インタビュー。 NY在住の写真家・音楽ジャーナリスト「常盤武彦」氏の許諾を戴きましたので、Facebookに三回位に分けて、「ヴァン・ゲルダー・スタジオ」の素顔を、私が共鳴した部分のみ投稿します。ジャズに興味有る方は釘付けかも、、。

常盤さんの鋭い視点の質問に、ヴァン・ゲルダーさんがお答
えになっているのが、私は微笑む。

T「オリバー・ネルソンの{ブルースの真実}は、オリジナルLPにはモノラル盤とステレオ盤がありますが、ステレオ録音だったのですか」。

RVG「2トラックのステレオ・テープに移行したが、当初は、モニター・スピーカーは一つだったし、ミュージッシャンは誰もステレオ・サウンドを聞いた事がなかった。私自身も、2トラックで録音しながら、ステレオ・サウンドでは、聴いた事がなかった。楽器間のバランスを如何に巧く録るかに専念していたんだ。
59年末に、このスタジオに移ってからも、そのスタイルで録音していた」。
Commented by noanoa1970 at 2012-12-13 06:12
T「61年・62年録音のジョン・コルトレーンの{バラッズ}はサックスが左、ドラムスが右、ピアノとベースがセンターという定位をしていますが、誰が、この音場感を造ったのでしょうか。

RVG「私がやったと言う事になるだろうね。これは、ステレオ再生を意識しないで、私が2トラックで録音した結果だ。その当時も、モニター・スピーカーは一つで、単に2トラックのテープを二つのトラックとして録音した。ステレオの音場感で再生するいう概念が無かったんだ。だから極端な楽器配置になっている。
当時のレコード業界は、スモール・グループの録音コンセプトを、よく理解していなかった。彼らは、私やミュージッシャンが意図的にこの様に録音したと誤解し、それがスタンダードの様になり、ステレオと言われてしまった。それは、私が意図したことではない」。

T 「では、現在のスタイルのステレオ録音が完成したのは、いつ頃ですか」。

RVG「おそらく70年代後半だ。クリード・テイラーが現在のスタイルのステレオ録音に興味を持っていたので、私も移行した。
アルフレッド・ライオンや前の世代のプロデューサーは、ステレオ録音に関心を持っていなかった」。
Commented by noanoa1970 at 2012-12-13 06:14
以前論点となったステレオ・モノーラル録音の話の実証的なはないです、クラシック音楽も多分ほぼ同じであったと思われますが。
Commented by Abend5522 at 2012-12-13 20:06
sawyer様、こんばんは。
興味深い資料、ありがとうございます。2トラ録音と、それをステレオ録音とすることは別なのですね。録音プロデューサーおよびレコード会社の意向次第ということでしょうか。さすれば、多くのユーザーが騙された「偽盤」が横行していた状況も頷けますね。
Commented by noanoa1970 at 2012-12-13 20:27
Abendさま、こんばんは。
2CH録音をすると擬似ステレオになりやすいんでしょうか。多分ジャズもクラシックも同じような状況だったのでしょうね。アメリカの名プロデューサーをしてコレですが、確かにオリジナル盤はモノーラルでした、それなのに廉価盤がステレオという奇妙なことは、2CHの擬似のステレオ化で、家庭用ステレオ装置の普及に合わせたのでしょう。よく聞けばの話ですが、1CHモノーラルから擬似ステにしたものと、2CHからステレオにしたものでは違うのではないかと思ってます。
Commented by HABABI at 2012-12-14 07:48 x
sawyerさん、こんばんは

ステファンスカのこのモノラル録音は小生の大好きな演奏で、何度も何度も繰り返し聴きました。ワルツ等のリパッティの録音とは印象の違うピアノだったので、長らく不思議に思っていたものです。それが、リパッティではないことが分かった時には、おおいに納得したものでした。
リパッティは、ピアノの音がもっと立っていて、力強い演奏をします。一方、ステファンスカのこの演奏は、ロマンティックで、若い人だけが持ち得る叙情に溢れています。

今、イタリアのパドヴァに来ています。仕事はあと1日だけです。何とか無事に終わりそうです。日本に着いたら、すぐ投票に行く予定です。
ここでは、勿論いろいろなイタリア料理が食べられますが、猫に小判の様なものですので、あまり食べに出ていません。
Commented by noanoa1970 at 2012-12-14 10:56
HABABIさん。
無事の帰国お祈りいたします。
この記事は以前にも書いた時、ハバビさんから丁寧なコメントを頂いたことを覚えております。今回は両者の違いを実感するためのランドフスカはリパッティとされたLPからデジタル化しました。本物のリパッティはアッカーマンのバックのものが最近?発売になったようでyoutubeにありました。仰るように、違いは比べると明らかですね。小生は熱心に聞いてなかったというより他のリパッティはカラyンとのシューマン&グリーグそしてショパンのワルツ集しか所有してないので、違いには気が付きませんでした。熱心なリパッティファンでよく聴いている人が、なにかおかしいと感じてるのにプロは情けないですね。
Commented by Abend5522 at 2012-12-14 14:53
HABABI様、イタリアよりのご送信に感動しております。
sawyer様、こんにちは。
下記のブログで、フェイズシフト法で擬似ステを作っておられます。
http://silver-tone.com/diary/diary_view.asp?id=6&num=100
Commented by noanoa1970 at 2012-12-14 22:10
HABABIさん
パドヴァですと、ペーターマークが随分たたきあげた、パドヴァヴェネト管弦楽団がありますね。
Commented at 2012-12-15 13:24 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。