ドュビッシーと英仏国歌

ドュビッシーの誕生日は8月の22日だそうだ。小生はそのようなことまで覚えているわけではないが、いくつかのブログにそれに因んだ記述があったので聴いてみようと思った。
何を聞こうかと少し迷ったのだが、夏の夜にもってこいの「前奏曲集」を取り出した。たいていはこれを小生はBGM的に鳴らしていることが多い。プーランクは朝フォーレは夕方そして夜はラヴェルかドュビッシー・・・いずれもピアノ曲を聞くことが多い。
前から気になっていたのだが、2集には英仏2つの国歌が出てくる音楽がある。
ひとつは「ピックウイック卿礼賛」そして「花火」だ。
d0063263_205350.jpg

「ピックウイック」になぜイギリス国歌が使われているかは、ほとんどの記述が、「チャールズ・ディケンズ」の小説からインスパイヤーされた・・・と有る。ピックウイッウとはなんであろうかと、少し突っ込んで調べると、「ピックウィック・クラブ」」(原題 THE PICKWICK PAPERS)に行き当たった。この小説はディケンズの最初の長編で、貧しいが元気なイギリスの老人たちが旅先で巻き起こすユーモアとペーソスあふれるものらしい。らしいといったのは、この長編小説いまや読み手がいないのか、とっくに廃版となっていて未読であるからだ。文庫3冊の長編であったという。
BBCがこの小節をTVドラマに仕立てたものが、DVDになったらしいので、いずれ見ることにする。・・・・・はなしを戻そう。

なぜ[ドュビッシー]←[ディケンズ]→[イギリス国歌]なのか?
ディケンズがイギリス人だからイギリス国家では余りにも能がなく「子供の領分」の「ゴリウオーグのケークウオーク」でワーグナーの「トリスタン・・・の、愛の死」をパロディったドュビッシーらしからぬことではないか?

そしてついに発見したのが「ピックウイックペーパー」の中に登場する「ビッグジョー」に関しての
以下の記述。
「1956年にBurwellらが、日中の強い眠気、心不全、呼吸アシドーシスを持った肥満の患者について報告しました。Burwellはこの患者がチャールズ・ディケンズの小説「ピックウィック・クラブ」に登場する「少年ジョー」に似ていることを思い出します。
ジョーはいつも日中眠く、赤い顔をして、太っていることからこのような症候群を「ピックウィックの症候群」と呼びました」
・・・・イギリスの初老の中産階級の・・・・例えば「チャーチル」のような風貌をパロディったのであろうか?
それにしても「無呼吸症候群」が「ピックウイック症候群」と呼ばれることにただ驚くばかりである。医者のBurwellは文才の有る読書好きの人だったらしい。

このように類推すると「’花火」の中の仏国歌は花火が消えるように遠くで鳴っているから、よく言われるように「パリ祭」にインスパイヤーされたものと考えるより、一時は華々しかったフランスの国家の衰退を象徴するものだとも考得てもいいのかもしれない。

CDはいつもは「フランソア」か「ギーゼキング」を聴く方が多いのだが、1・2集が1枚に収録されていて比較的録音が良い「アーツ」レーベルの「ジャン・ピエール・アルマンゴー」のピアノのもの。無名だがノイエ・ザッハリッヒカイト的な演奏で、ギーゼキングを新しくしたような演奏で、好感が持てる。なにより連続して1・2集が全部聞けるのがいい。しかも安価である。
[PR]

by noanoa1970 | 2005-08-24 20:25 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(0)