文部省唱歌「雪」のルーツは、スラブの民謡だったのか。

ゆーきやこんこ、あられやこんこ、降っても降ってもなお降りやまぬ。
犬は喜び庭駆け回り、猫はこたつで丸くなる。

だれでも知っている童謡あるいは唱歌「雪」。
子供の楽しそうな姿と、動物それぞれの応対の姿が目に浮かぶかわいい歌である。

いったい誰の作詞作曲家と思って調べたが、「作者不詳」となっている。

最近のこと、ディスカウが亡くなったので何か聞いてみようと取り出したのは、シューベルトでもヴォルフでもシューマンでもなく、ドヴォルザーク。

アンチェル/チェコフィルのレクイエムの余白に収録されたた「聖書の歌」抜粋。
通常10曲からなる歌集だが、1、3、4、7、8、10の6曲からなっているもの。

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聖書から引用した文に曲を付けたもので、おそらくは正式な宗教曲とは言えないぐらいポピュラリティがあるもので、たとえるならば、聖歌や賛美歌に対するゴスペルといったところだろうか。
教会で歌う目的以外のために作ったのかもしれない。

収録された最後、作品でいと10番目「聖書の歌~第10曲「主に向かって新しい歌を歌え(Zpivejte Hospodinu pisen novou)」を聴いて驚いた。
デームスのピアノ伴奏が・・・・・

文部省唱歌「雪」にそっくりではないか。
これは偶然の一致とは到底思えないから、誰かがドヴォルザークからメロディーを引用したのか。
それとも、ドヴォルザーク自身がどこかの古い民謡を引用したのか。

推測でしかないが、スラブ地方の民謡をドヴォルザークが引用し、それを誰かが引用し詩を付けたのが文部省唱歌となったのだと思いたい。

赤とんぼのメロディー、ドイツの古い民謡そっくりという話もあり、シューマンが引用したものを山田耕筰が再引用したという可能性もあるように、聖書の歌は民謡から引用され、それを最引用し「雪」となって、皆さんに愛される歌となった。

そう考えると、イギリス、スコットランド、アイルランド、アメリカ、ドイツ以外にスラブという、童謡唱歌のご先祖がいたことになって面白い。
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by noanoa1970 | 2012-06-10 15:44 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(2)

Commented by Abend5522 at 2012-06-12 00:15
sawyer様、こんばんは。
『雪』の旋律がドヴォールザークのもののパクリで、作曲者不詳として唱歌の有名ナンバーになったという話は以前から知っていましたが、どう聴いても民謡ですね。文部省唱歌には、作曲者未詳とか外国曲といった曖昧な表記の曲が散見されます。
昭和天皇が若き日に渡英された折にスコットランド民謡の演奏をお聴きになり、『蛍の光』の原曲であることを知られたというエピソードがあります。
瀧廉太郎の作品に『雪やこんこん』がありますが、全く別の曲です。私は、「雪やこんこ」の意味に関心がありますので、いずれブログで取り上げたいと思っています。
Commented by noanoa1970 at 2012-06-12 09:19
Abendさま
「雪やこんこ」の「こんこ」や「夕焼け小焼け」の「小焼け」など、スッキリと解釈できるものがないだけに、大いに期待します。