私の愛聴盤・・・ブラームス2番

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この曲の愛聴盤は,迷うことはない。
イストヴァン・ケルテス/VPOの演奏である。
DECCAの輸入全集盤を入手したのは1974年か5年のころ。

通勤帰りに、ジャズ喫茶によく行っていたが、あるときそのすぐ向かいに小さなレコードショップができた。
輸入盤専門の店でジャズが多かったが、クラシックも取り寄せできるという。
輸入盤の価格が心配だったが、どうしても欲しいレコードだったので注文したもの。
12000円いただきたいが、9000円で良いという。

クラシックレコードで儲けようとは思わないと、主人は言い、その後かなり親しくなって、新婚の奥さんとともに、京都に一緒に行った。
その時案内したのが、今は亡き中国関東料理の元祖「飛雲」。
古民家の中国料理屋で、谷崎 潤一郎も江戸川乱歩も訪問したという。

京都の義父が日本画の修業時代、居候していたところで、店の主人は華僑で京都のさまざまな芸術家のパトロン的な人物であったらしい。
2階の部屋の廊下の角には、河井寛次郎の作品がいくつも無造作に置かれていて驚いたものだ。

今京都の美味しい中国料理の店は殆どが「飛雲」育ち、あるいはその弟子や、そのまた弟子という事という。

しかしケルテスの2番の演奏は、そんな昔のノスタルジアばかりではない。

LPで聴いても2番の録音状態が他3曲とちがうので、調べると、この曲だけが1964年録音で、他の1番、3.4番は、1972年から3年の録音であることがわかった。
しかし小生にとってはこの64年録音のほうが、丸みがあってVPOらしさが良く出た録音だと思う。

sの録音年の違いがるのからか、CDでのジャケットは2番だけがほかのとは少し違っていて、顔写真は一緒だが文字の書いてある上の部分が白抜きとなっている。

世間ではこの曲をブラームスの「田園交響曲」などと呼ぶ風潮があるが、小生は未だにそのネーミングを激しく拒否するものである。

それは新しい発見をすることになったからであり、このことは今まで誰も指摘する者はいない。
しかし」小生は確信に近いものを持っている。

以下のケルテスの演奏の2分45秒からしばらく、そして4分11秒~5分まで聞くと、お判りになると思うが、ここに使われているメロディはあの「ブラームスの子守歌」の変形である。
7分17秒あたりから8分ぐらいまで、9分15秒以下数回にわたって再現される。

何回も繰り返し出てくると言うことは、それほど重要な意味を持つもので、其れが「子守歌」という事は、「田園」などというベートーヴェンにあやかったネーミングを付けては、ブラームスに失礼なこと。

どうしても名前を付けたいというのであれば、「遮られた眠り」とでも言ったほうがよい。

ブラームスがいくら引用の名手であろうと、まさかフォスターのビューティフルドリーマーのメロディーを冒頭のホルンに応用したなんて言うのは、少し行き過ぎだろう。
しかし自作の「子守歌」のメロディーを応用したという事なら、納得できるし、音楽からもそう思える節から説得性があるのでHが無いだろうか。

それにしても今の今まで・・・。小生がこのことを発見した1970年代から今まで、誰もこのことに触れないのは少々腑に落ちない。



VPOは素晴らしいオケであるが、この演奏では彼等の良いところが全て表出している。
「新世界」でもそうだったが、任せられるところは、ケに委ねるという姿勢が好演想を生んだのではないだろうか。
できることなら、このコンビでベト全を聴いてみたかった。
モーツァルトももっともっと聴きたかったし、またコダーイやヤナーチェク、バルトークの音楽も。

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by noanoa1970 | 2012-06-04 09:13 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(4)

Commented by Abend5522 at 2012-06-04 22:59
sawyer様、こんばんは。
ケルテス盤は、同じくVPOとの『新世界』に通じる見事なな演奏ですね。時々行くブック・オフ堀川五条店にあったのを憶えていますので、入手したいと思います。
飛雲は知りませんでした。下鴨の蕪庵や紫明の鳳舞も飛雲の系統なのでしょうか。両店とも一度だけ行ったことがあります。
Commented by noanoa1970 at 2012-06-05 09:15
Abendさま
蕪庵はどうかわかりませんが鳳とか飛との名前が付いたものほとんどがそうだと思います。ただし春巻きがうまかった鳳舞は閉店してしまいました。同じくもうなくなってしまったジュンク堂近くの大三元も、飛雲の弟子がやっていた中国料理屋です。
Commented by Abend5522 at 2012-06-05 20:17
sawyer様、こんばんは。
紫明を何度も通っているのに、鳳舞が閉店したことに気づいていませんでした。残念なことです。
挙げておられたブラ1&『浄夜』のカラヤン盤を入手いたしました。聴くのが楽しみです。
Commented by noanoa1970 at 2012-06-05 22:54
鳳舞の閉店は、つい最近のことだと思います。
跡がなにになるのか。
大陸風の建物だったのに、残念です。春巻きはもちろん、シャンタンスープのシャーシュー麺も好きでした。
カラヤンのロンドンライブ、お聞きになったらぜひ感想をお聞かせください。