ブログ連動企画第11弾ストコフスキーのハンガリー狂詩曲第2番懐聴記

小学校の運動会に徒競走という種目で毎年使われていたので、耳になじんでいた曲があった。
しかし、当時はその曲が何者か知る由もないことであった。

同時にもう1曲勇ましい行進曲が流れていて、その曲がものすごく気にいてしまい、中学生になって「スーザ」というマーチの専門作曲家を知ることになり、曲名もわからないまま、レコードを買ってもらったが、その中には入ってないのでひどくがっかりしてたこともあった。
その曲が「双頭の鷲の旗の下に」で、作曲者がワーグナーと教えてくれたのは、夏休み行った京都の叔父であったが、小生は長くリヒャルト・ワーグナーと同じ人だと思っていた。

中学生になると、運動会に徒競走はなくなって、小学生時f代の音楽は聞こえなくなった。
たぶんクラスの中の音楽好きの家に行った時のことだろうと思うが、(家の誰かがクラシックを好んでいたと思われレコードが20枚程度はあった)その時かけたのが、運動会の音楽がはいっているもので、リストのハンガリー狂詩曲第2番と知ったことはうれしかった。。

ハンガリー狂詩曲第2番から徒競走の音楽が聞こえてきたときは嬉しかったが、冒頭の低い音が不気味に聞こえたが、なかなか勇ましいところがあって、小学生の時、京都の高等学校で音楽の先生をやっている叔父から聞かされた、リストのレ・プレリュード(叔父は前奏曲とは教えずにそう教えた)のリストと同じ作曲家であることはさらに嬉しいことだった。

中学2年生が狂詩曲2番との出会いであったが、作曲家リストの名前は小学生時代に知っていたということになり、リストは勇ましい音楽の作曲家という印象を持った。
叔父は必ず「ゴセックのガボット」という具合に、作曲家を一緒に教えてくれたから、リストの・・・・が記憶に残ったのだろう。

小学校の低学年の音楽の授業で、ポータブル電蓄とSPレコードで聞かされた音楽が京都で聞かされたガボットで、曲が終わるやいなや、「ゴセックのガボット」と小生が叫んだ時の先生の顔が今でも目に浮かぶ。の
叔父から最初に聞かされた音楽が、偶然にもゴセックのガボットであった。

そんなことを、思い出しつつ改めて音楽を聴いてみた。
しかし、ストコフスキーの音楽から、運動会の音楽は聞こえはしたが、それ以上にストコフスキーの音楽に圧倒されてか、昔友達のうちで聞いたときの音楽とは、当たり前だが次元が違う音楽であった。

今回のご指定のストコフスキー盤を何回か聞いているうちに、昔運動会で聞いたものは、もっと後ろから押されるように急かすような音楽だったことを思いだし、大きな違和感を感じることになったが、また例のストコ節のせいではないかと思ったので、youtubeでカラヤン盤を聴いてみた。
記憶の該当箇所は、カラヤン盤で9分4秒あたりから出てくるが、やはり少年期のたとえようのない、感動は戻るはずもなかった。
なにかが違うのだ。


ストコフスキーの演奏もカラヤンの演奏も、今聞くと走りを促進させる運動会の音楽には不適当なので、演奏もさることながら曲自体が違うのではないかと思い始め、しばらく間をおいて考えることにした。

ネットで探ると、「クシコスの郵便馬車」が絡むようなので、聞いてみると、記憶にある徒競走の音楽が聞こえてきた。
ウイキに書かれていたことは、
『ハンガリー出身とされるリストはハンガリー狂詩曲第2番でこの主題をフリスカ(速度記号急速)に登場させており、後世のネッケがうまく取り入れている。』、あまり上手な文章でなくこの主題がどこを指しているのか推測しなければならないが、つまりネッケという人物が作者で、リストが使った曲を引用したというではないか。そして一方リストはジプシー音楽を多引用したといわれるから、主題というのはおかしいが、とにかくリストが引用したジプシーの音楽をネッケがまた引用したということになる。
小学生の徒競走で聞こえていたのは、ハンガリー狂詩曲ではなく、「クシコスの郵便馬車」であった。
しかしこの引用部分、ジプシー音楽で無いように思うのだが・・・・
もしかすると、ほかの引用を聞き逃しているかもl知れない。

以下のyoutube音楽の28秒あたりが記憶の該当箇所だが、今聞くと運動会ではこの曲全体が流されていたと確信でき、記憶の音楽の正体は「クシコス」が正解であった。

リストもネッケもハンガリア人であるから、ジプシーの(現在はロマというが、あえて昔からの呼び方を使った)音楽とは、直接間接的に接する機会があったのだろう。
また小生の耳にはジプシーと同時にユダヤの音楽のように聞こえるところがあった。
古民謡の引用はいろいろな作曲家によくみられるが、特にヨーロッパの被差別民が影響を与えた芸術音楽の文献はないものだろうか。(誰も指摘しないが、メンデルスゾーンの中のユダヤ音楽)で書いたとがあった。

クシコスの郵便馬車・・・クシコスポストという名前からは、「走り」の曲のイメージがわいてこない。
ストコ6.25

さていよいよストコフスキーの演奏に入るが、この狂詩曲2番は伝聞だが、ディズニーのアニメにも、映画「オーケストラの少女」でも使用されたという。(これらをぜひ見聞きしたいと思う)
ストコフスキーお得意の、というより自分のカラーを色濃く出すためか、劇伴音楽のためか、見なくてもわかるほど大幅に楽譜をいじっていて、カラヤン盤と比較すると全く違う音楽になっているから、カラヤン盤が正統とはいわないが、「ストコススキー編(曲版)」といったほうが良いのではないだろうか。
ストコフスキーと劇伴音楽については改めて調べてみる価値は大いにあるし、映画もアニメも見る必要がある。それなくしては彼の音楽を、大局的には理解できないないかもしれない。

音の長短を激しくいじっている演奏は、これまでのストコフスキーの演奏にたくさんあり、ストコ節の要素の1つであると思われるが、今回はそれが、今までの西洋音楽演奏からは、想定できないところで実施するから、聞く側はおろおろしてしまう。
きっとオケもかなり戸惑ったのではないだろうか。
異常なほどのフェルマータを想定外の場所で掛けるが、リピートの時はまた違う場所でやるから手におえない。(劇伴を想定してのことと推測は可能だが、断定は今のところ出来ない)

こういう非予定調和的な演奏は、19Cスタイルにも見られないし、爆演タイプの指揮者にもこれほどのものはない。

こういう音の長短の意外な変化、そして編拍子的なリズム処理がいたるところで入る。
メンゲルベルグ、シルヴェストリの音楽も、似たようなところがあるが、いずれも予定調和内で、ストコフスキーの比ではない。

純粋音楽的なものか、あるいは先に言及した「劇伴」に伴うものか、ここは非常に大事であろう。
勘所としては、「劇伴」を考慮しなければ、あの大胆すぎる音楽はいかにストコイフスキーでも、あり得たとは思えないが。
あの不思議なフェルマータと入れどころの不可思議さは、なにかにの動き合わせたと思ったほうが理解しやすい。
宿題として、アニメと映画を見ることと、旧録音を聴いてみることがのこされる。

純音楽的には、こういうハチャメチャと思えるような変化をこれでもかと言わんばかりにつけたアーティキュレーションは、「ジプシー音楽」の解釈なのだろうとも思われるが、果たしてどちらが的を得るのか。

この演奏はおそらく、好き嫌いがはっきりと分かれるのではないだろうか。
これだけやられると、小生も消化不良気味になるようで、聴いた後「すごい演奏、だけど・・・」となってしまう。
小生にはなじみの、ゴージャスなフィラデルフィアサウンドの「ユージン・オマンディ」盤を聴いてみた。

LP時代の廉価版でもこの2人は、煌びやかサウンドの対抗者として比較されることがあったが、大型の音楽でない限り勝負は互角の感想を持っていたが、今回のリストに関して、どちらかを選択しなければならないとしたら、オマ-マンディを採るであろう。

ピアノ版も聴いて確かめてみたが、やはりストコフスキーの演奏は特異である。
こうなると、ストコフスキーの演奏を通して作曲家リストを観るという、古典的音楽の聴き方は生命を失い、何時まで経てもリストは見えて来ない。
視聴者はただただリストを材料にしたストコフスキーの音楽と接することになる。
わかってはいるが、そして驚くほど素晴らしい面は確かにある。

今回のストコフスキーの演奏は、映画というメディアのもとにあるという仮説の元であれば補完できるが、純粋音楽とすると、あまりにも異質で重たすぎる。
だんだん重みを増していき、誰も持ち上げられない、ということになる可能性がある。
そういう意味からも好き嫌いがはっきりしてしまう。

(純音楽として)素晴らしいオーマンディ盤と比較すると、ぼんやり答えが見えてくるように思う。


abend様
お次は「王宮の花火」をお願いします。



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by noanoa1970 | 2012-03-15 09:08 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(4)

Commented by Abend5522 at 2012-03-15 19:14
sawyer様、こんばんは。
『ハンガリア狂詩曲第2番』は、『オーケストラの少女』には使われていたようですが、『ファンタジア』や『ファンタジア2000』には使われていないので調べましたところ、『ミッキーのオペラ見物(The Opry House)』(1929)に一部が使われています。
http://www.youtube.com/watch?v=o5zdHAspBAQ
また、おそらくはこれに影響を受けたと思われる『バックスバニー』や『トムとジェリー』にも使われています。
http://www.youtube.com/watch?v=bYM84n-2Sas
http://www.youtube.com/watch?v=6NXo7pr8iRM&feature=related

ストコフスキーの演奏は、ミュラー=ベルクハウスを更にアレンジした感じですね。リズムがウィンナ・ワルツやポルカのようですが、それが重いトーンと相俟って、かなりグロテスクな印象です。映像の随伴というデータは得られませんでしたが、ストコフスキーが何らかの映像を頭に描いて指揮をしたことは充分に考えられるでしょう。彼の音響へのこだわりは、実際のものか空想のものかを問わず、映像と密接に結びついていると思います。その意味でも、この演奏は空前絶後の怪演ですね。
『王宮の花火の音楽』、受けさせていただきます。
Commented by noanoa1970 at 2012-03-15 21:24
Abend様
情報ありがとうございます。
DVD探してみます。
Commented by Abend5522 at 2012-03-16 00:59
sawyer様
『オーケストラの少女』のDVDは、レンタル店にも置いてあると思いますが、宝島社の「宝島シネマパラダイス」シリーズに、『素晴らしき哉、人生!』とカップリングされたDVD2枚組を500円で売っています。密林でも買えますが、家電量販店でも売っていると思います。
Commented by noanoa1970 at 2012-03-16 10:45
Abend様
お調べいただき恐縮です。
500円・・・いくら版権が切れたとはいえ、安くなったものですね・