ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の生き残りボッセ氏死去

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ついにその日がやってきてしまった。
ゲルハルトボッセ氏が2月1日90歳でお亡くなりになった。

コンヴィチュニーがLGOのカペルマイスターだった時代、かれは、ズスケとコンマスの地位を分けあった。

さらに四重奏団を結成し、モーツァルトベートーヴェンなどいくつもの名演を残してくれた。
おとといも、オペラレーベルに録音したモーツァルト録音を聴いていたところだ。

近年は神戸でオーケストラを率いて自ら指揮をとって活躍された。

これで旧東ドイツの音楽文化の伝統を引き継ぐ伝道者がいなくなってしまうことになる。
以前にも書いたことがあるが、コンヴィチュニー時代の東ドイツの音楽事情、LGOのこと、そして何よりも、コンヴィチュニーについての知られざるところを、もっと語り伝えて欲しかったと思うところだ。

以前から問題のブルックナー4番問題、ソ連に没収されたままの音源の数々。
コンヴィチュニー指揮のブラームスの1.4以外の録音の有無、そしてR・シュトラウス以降コンヴィチュニーの音楽演奏的興味がどこに向かったのか。

コンヴィチュニーは、何故バイロイト指揮者になれなかったのか、フルトヴェングラー、シェルヒェン、ケーゲルとの音楽的私的関係、コンヴィチュニーがアルコール依存症になった真の理由などなど。

戦後直後、そして50年代から60年代の東ドイツの音楽文化状況は今もなお、隠された部分が多く、誰も語りたがらない、もう語れる人がいなくなる今日だから、ぜひとボッセ氏に期待をしていたのだった。

ボッセ氏が亡くなられたことは、音楽的な損失もあるが、コンヴィチュニーとLGOを含む旧東ドイツの文化状況、音楽・文化政策、旧西ドイツとの関係性・文化的交流などが語れるほぼ最後の人であり、音楽だけにとどまらず、政治文化社会そして教育・芸術の実践と言った多方面の体験者でもあったから、後世にきちんとしたカタチで残されなかったのはひじょうにに残念なことだ。

モーツァルトを聴いて追悼とする。


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by noanoa1970 | 2012-02-02 18:10 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(18)

Commented by こぶちゃん at 2012-02-02 21:01 x
ご高齢でしたので、いつかは…と覚悟はしていましたが、亡くなられましたか…心よりご冥福をお祈りします。
ドレスデン聖十字架教会のクロイツカントルとライプツィヒ聖トーマス教会のカントルのマウエルスベルガー兄弟が共演したマタイ受難曲の「憐れみたまえ」の伴奏がボッセ氏でしたね。
今CDのライナーを確認したところ、第二オーケストラにその名前を確認しました。
今夜は後で、これを聴くことにします。
Commented by Abend at 2012-02-02 21:27 x
sawyer様、こんばんは。
ボッセ氏が、大阪の高槻の自宅で逝去したことは、昨日の夕刊で知りました。コンヴィチュニー没後50年の本年に、90歳の大往生でした。昨晩、ゲヴァントハウスSQによるベートーヴェン/弦楽四重奏曲第4番を聴き、哀悼の意を表した次第です。この曲は、1977年6月に、京都会館でボッセ氏をリーダーとするゲヴァントハウスSQの来日公演を聴いた際、11番、15番とともにプログラムであった曲です。また、同年の9月には、大阪フェスティバルホールで、ボッセ氏の指揮によるゲヴァントハウス室内Oの演奏による、J.S.バッハの管弦楽組曲全曲を聴きました。懐かしく想い出されます。
コンヴィチュニー時代のLGO、及び当時の東独の音楽事情につき、まとまった発言や著書を遺されなかったことは、私も残念至極です。
Commented by noanoa1970 at 2012-02-02 22:00
こぶちゃんさん、こんばんは
90歳ならば、大往生ですね。日本でお亡くなりになったのは、日本が好きだったのでしょう。来日当時の話など詳しく聞きたかったです。
Commented by noanoa1970 at 2012-02-02 22:08
Abendさま、こんばんは
ゲヴァントハウスSQの来日公演、お聞きになられてよかったですね。小生はあいにく公演をいちども聞いたことがないまま、今まで来てしまったことを物凄く後悔しています。1977ですと、ズスケ氏がいたのではないでしょうか。LGO出身者のSQはズスケSQにしろ、いずれもが素晴らしく、新しいメンバーのモーツァルト、偶然ですが昨日発注したところです。
中で、今CDは最高の演奏だと思います。追悼盤発売を期待すると共に冥福を祈るばかりです。
Commented by Abend at 2012-02-02 22:38 x
sawyer様
ボッセ氏以外の来日公演のメンバーは、グラス(2nd.Vn)、ハルマン(Va)、ティム(Vc)でした。このメンバーでのラズモフスキー全曲のCDが発売されていますが、この来日公演の合間に日本で録音されたものです。未だCD化されていないと思われるベートーヴェンのop.18の6曲は、ボッセ、ズスケ、ハルマン、エルベンによる演奏で、ティムはエルベンの弟子です。この3枚組みのLPは、私の大事なレコードのひとつですが、正規のCD化を待望しております。
Commented by noanoa1970 at 2012-02-03 09:00
Abendさま、おはようございます。
ズスケ氏がいなくても良い演奏でしょうね。
ズスケ、ボッセがSQを組んだお持ちのLPは下記のものでしょうか。
ゲヴァントハウスSQ (ボッセ ズスケ)
ベートーヴェン 弦楽四重奏曲 OP-18 2,4東独エテルナ 820 208
羨ましい限りです。
CD化されれば直ぐに入手するのですが。
Commented by Abend at 2012-02-03 18:20 x
sawyer様、こんばんは。
私が持っているのは、op.18の全6曲が収録された国内盤のビクター VX-181~3です。"VICTOR CHAMBER MUSIC SERIES ②"とあり、3枚組6.600円で、1974年の発売です。リストを見ると、1975.01.04に十字屋で購入しております。検索したら、熊本の中古店が販売していました。箱ジャケの画像も載っていましたので、URLを貼らせていただきます。
http://www.begireco.com/index.php?main_page=product_info&products_id=28810

Commented by noanoa1970 at 2012-02-03 19:48
Abendさま、こんばんは
国内盤が発売されていたのですね。ジャケット拝見しました。
エテルナ盤とは違い、こちらはカナリ若い感じのベートーヴェンです。こういう感じのジャケはとても懐かしさを覚えます。70年代初中期ですとかなりの出費ですから、小生は室内楽には手が出ませんでした。たとえCD復刻されても宝物でしょう。
Commented by Abend at 2012-02-03 22:30 x
sawyer様
当時、新品のレギュラー盤を買うことは少なかったですね。組物ともなれば尚更で、この盤と『タンホイザー』のコンヴィチュニー盤、マタイ受難曲のマウエルスベルガー盤ぐらいでした。
この盤は、中古レコード店でも見たことがありません。余り売れず、早くに廃盤になってしまったのではないでしょうか。op.18の初期作品集の知名度も、当時の我が国では低かったと思います。
Commented by noanoa1970 at 2012-02-04 09:19
Abend さま、おはようございます。
そうですね。小生も大変無理してカラヤンの「指輪」を購入したことがありました。しかも音楽の先生をやっている義弟に頼んで三割引で・・・。リヒテルの平均律、買ったはいいけど音揺れが激しくて泣きました。後はグルダのベートーヴェンソナタ全集ぐらいでしょうか。それこそ清水の舞台から・・・の思いが本当にあったものです。室内楽、LPで聴くのがいいですが聴き方にヴァリエーションのあるCDも必要な場合があります。復刻が望まれますね。
Commented by Abend at 2012-02-04 21:47 x
sawyer様、こんばんは。
今年は、CDの生産が開始されてから丁度30年の節目でもあります。初期には、CDも一枚3千円台でしたね。就職した年にマランツのCD-34と、同時に最初のCDとしてセル/クリーヴランドOのワーグナー/『指環』管弦楽曲集を買ったのが1985年ですから、それでも既に27年も経ったのかという思いと、にもかかわらずCD化されていない名盤の何と多いことかという腹立ちが交錯します。
CDやレコードに限らず、買う際に店の者が使う「商品」という言葉には嫌な思いがします。店の者にとっては商品ですが、こちらにとってはそれ以上の物です。CDやレコードを買うのは音楽を買うのであり、本を買うのは文章を買うわけですから、廃盤や未CD化も、この「商品」という店側の価値観の押し付けと同じく、資本の論理にユーザーが従わされているといえましょう。
Commented by noanoa1970 at 2012-02-04 22:12
Abendさま、こんばんは
30年たちましたか。CD1枚の価格は小生が最初に購入したフェセードフのチャイ5が3800円でした。非クラシックですが4300円というものも購入しました。今やBOXの1枚あたりは100円以下のものまであります。名演名盤というかつての価値はどこかに消えてしまいました。聴くチャンスこそ増えましたが、良きフィルターがかかってないため、あたりハズレが激しいようで、そういう意味では相対価格はあまり変わってないのかもしれません。
Commented by noanoa1970 at 2012-02-04 22:13
続きです
我々のような幼児期はSP、さらにLPを経験したものにしかわからない付加価値がたくさんありますが、メーカーのマーケティング販売戦略もプアーで、紙ジャケ、リマスターに終始してしまった感があります。古い録音を市販する場合、」リピーターの愛好家が求めるものには、新しい情報と発売当時の情報です。小生はCD購入に際し個別PWを付け、あるいは会員PWを取得可能にして、ネットで」詳しい情報が閲覧できるように提案していますが、どこももやる気はなさそうで、BOXセットに何が入ってるかわからないCDを余分に付けることぐらいが現状です。大手メーカーニ委ねてていると、あまり良いことは無さそうですし、おっしゃるように販売店は商品としか見てないのは確実です。音楽の提供ということを全く忘れているようで、悲しいですね。
小生は商店街の対面販売が基本であると思っています。
そして大手資本と真っ向から勝負しようとう気構えと工夫が足りないように思いますが、後次の問題は大きそうです。
Commented by Abend at 2012-02-07 22:08 x
sawyer様、こんばんは。
お考えに共感できますのも、我々が青年期にレコードからCDへの変遷を体験しているがゆえと思います。それだけではありません。AVの双方におけるテープの普及とディスクへの変遷、ついに個人録音のための媒体にしか成り得なかったMD、短命に終わったLD、そしてPCの普及およびAV機器としての発展といった栄枯盛衰の体験者としても、我々は生きているわけです。こういう我々にとって、アナログかデジタルかといった単純な二項図式は無意味でありましょう。測定値上の精度を売り物にしているだけのリマスタリング盤や、一山幾らの感覚で販売されている激安BOXが巷間に氾濫している昨今、売る側も買う側も、音楽によって繋がっているという認識を新たにする必要がありますね。
Commented by noanoa1970 at 2012-02-07 22:24
Abendさま、こんばんは
ご意見同意いたします。
音楽メディアの変遷、興亡の中で、いやな思いをしたのが、VHSとベータの企業競争の中に消費者が完全に引き込まれたことでした。ステレオ録画、高画質のベータがVHSに完敗するとは夢にも思いませんでしたが、それも今となってはHDDVD、ブルーレイの時代になりました。しかし当時の消費者の損失はいったい金額にするとどれだけだったか、きっと膨大なものだったのではないでしょうか。ベータの録画テープは倉庫に200本以上眠っています。MDも入手できる最高のデッキとポータブルを入手したのですが、壊れたままになっていますが短命でした。
Commented by Abend at 2012-02-07 23:38 x
sawyer様
VHSとベータの競争は熾烈でしたね。一本が一泊800円ぐらいだった当時のレンタルビデオ店には、同一タイトルでも両方が置かれていました。私が仕事で視聴覚関係を担当した時には、デッキとカメラが別になっているモノクロのベータ機を使っていました。その数年後にVHSが取って代わり、デッキと一体型のカメラが導入されましたが、当時わずか30代で亡くなってしまった同僚が、遅くまで
残って整理をしていた数百本のベータのテープのことが思い出されます。
S-VHSも短命でしたね。当時、20数万円を出して対応デッキを買いましたが、ソフトが少なすぎました。MDは、仕事上での需要が多かったのですが、個人的には短命でした。携帯プレーヤーに乗り換える前には、Hi-MDのポータブル機を使っていましたが、今はカセットやCDのポータブル機とともに眠っています。LDはソニーのプレーヤーを使っていました。ソフトにかなりお金を使いました。『指環』のレヴァイン盤などは、全部で5、6万円しましたね。DVDで買い直した時には、その5分の1ぐらいの価格だったので呆れてしまいましたね。
Commented by LEJ at 2012-02-13 19:49 x
通りすがりに申し訳ありません。
>マタイ受難曲の「憐れみたまえ」の伴奏がボッセ氏でしたね
「憐れみたまえ」は第一オーケストラになりますので、残念ながらボッセ氏の演奏ではないようです。
>未だCD化されていないと思われるベートーヴェンのop.18の6曲
15年位前にCD化されたようです。アマゾンでB000025P0JもしくはB000025P0Nと入れて検索してみてください。
Commented by Abend at 2012-02-13 23:19 x
LEJ 様
はじめまして。
アマゾンで確認いたしました。まさしく私が待望していたものでした。今、注文をいたしました。深く感謝いたします。