愛聴盤・・2

ブログでお世話になっている、HABABIさんがブリリアントレーベルが発売したヴィヴァルディBOXについて書かれていたのを読んで、同じく小生も入手した。

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時代が変わり、過去発売になったプラスチックケース入りから、紙ジャケットになったので、40枚と言ってもさして大事ではないが、それらを入れた紙の箱が、効率だけを考えて作ったのか、開けると中身が滑って零れ落ちてくるから、必用な番号のものを選び出すのにはそうとう苦労する。

それで箱からはみ出すが操作性がよいので天地を左右におきかえてみた。
これで必要なナンバー枚が取り出しやすくなったが、パラパラとめくるのでは数字が見えないから、ピックアップしなくてはならない。

安価だから致し方ないのだろうが、枚数の多いBOXの場合は取り出しやすく造っていただきたいものである。
紙」ジャケのBOXはこのあたりが考慮されてないものが多い。
プラケースは場所は取るがそういう意味では作業性が良いので、どちらが良いか悩ましい所だ。

BOXの後半10枚程度は未聴だ、というのもすでにヴィヴァルディ宗教音楽集ERATO盤を入手していてそちらを主に聴くことにしているから、ブリリアント盤はもう少しあとまわしになる。

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それらを除くとほぼ1回以上聞いたことになるが、中でも特にお気に入りの音盤を上げておくことにした。
10枚目に収録されている、マンドリン、リュートの協奏曲集である。

マンドリン協奏曲は、ERATOのシモーネ盤がお気に入りで、愛聴盤としたが、個の演奏もなかなかのもの。
ピリオドスタイルの特長である使用楽器もそうであるが何しろテンポが速く、体感速度はシモーネ盤の倍ぐらいは有ろうかというもの。

しかし早いテンポで通しているのでなく、ロマン主義的演奏スタイルの特長でもある、自在なテンポ、ルパートの匠、そしてマンドリン協奏曲では特に顕著だが、自由奔放な装飾。
やり放題というべきか、しかし付けられた装飾音符、随所に見られる即興は見事というほかない。

シモーネ盤が古典的な演奏に聴こえてしまうぐらい、革新的である。
最近は過激なほど演奏が多い中、今まで耳にしたピリオド演奏の中でも特に斬新な演奏スタイルである。

自由奔放な装飾音符をふんだんに入れた即興の匠に仰天するとともに、祖の巧みな技と感性に感銘を覚える事となった。
ハラハラドキドキワクワクという間隔が終始持続していくのは非常に気持が良い。

RV532は「2つの」バイオリンでも演奏されるが、ここでのマンドリンの演奏は「掛け合い」という範疇をこえているようだ。

聴いていて小生はブルーグラスのセッションの場面を思い浮べていた、それはビル・モンローとアール・スクラッグスが技を競い合うところ。

うろ覚えだが、どちらかが先ず演奏すると、まったく同じように次が演奏する、するとお前なかなかできるな、じゃあこれはどうだと、すこしむずかしいフレーズを交互にやる中、だんだんエスカレートしていくが、どちらも弾きこなしてしまい両者勝負なし、観客は両者の凄腕に圧倒されっぱなしというわけだ。

クラシック音楽で、掛け合いという程度ならば随所に見ることが出来るが、技の競い合いのような演奏は滅多にないだろう。

いや、ヴィヴァルディの時代には、実際に技の競い合いあるいは技の勝負があったのではないだろうか。
ただ音楽を聴くだけでは物足りない貴族たちが、どちらが上手か、ひょっとしたら賭けがおこなわれていたのかも知れないなどという妄想がうかんでしまった。

こういう演奏スタイルはシモーネ番では聴こえてこなかったこと。
しかしシモーネ盤はそれはそれで安定した・・・予定調和的な演奏だ。

シモーネ盤は心静かに聴くことが出来るから眠りにつくときにもよいが、この演奏は眠気を吹きとばしてしまうトンデモ演奏だから、そういう聴き方をするとひどい目に合うことだろう。

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by noanoa1970 | 2012-01-25 17:43 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(8)

Commented by Abend at 2012-01-25 22:12 x
sawyer様、こんばんは。
ヴィヴァルディのマンドリン協奏曲は、映画『クレイマー クレイマー』に使われ、マンドリンという楽器の再認識とともに広く知られるようになりましたが、我が国でマンドリンを知らしめたのは、何といっても明治大学マンドリン倶楽部の創設者である古賀政男ですね。マンドリン合奏に乗せて藤山一郎が唄った『丘を越えて』は、当時としては実に斬新な作品です。
ヴィヴァルディは、テレマンとともに協奏曲の大家ですね。ソロ同士に技を競わせる"競争曲”は、おっしゃるとおり貴族の娯楽としてあったと思います。ヴィルトゥオーゾの時代は、バロック期からあったと見るべきでしょう。器楽が声楽に比肩し得る地位を獲得した時期でもありますから、ヴィヴァルディやテレマンのように、様々な楽器を使った協奏曲が多く作られたのだと思います。
今、レッパード/イギリス室内Oで、ラモーの『栄光の殿堂』第2組曲を聴いています。
Commented by noanoa1970 at 2012-01-26 18:26
Abendさま
拝見はしていたのですが、ゴタゴタがあって忘れていました。
申し訳ないです。
>ヴィルトゥオーゾの時代は、バロック期からあったと見るべきでしょう。
ブームになったピリオドアプローチの担い手たちよりも、最近のは過激とも思えるような演奏が多いようです。同じヴィヴァルディのその他の楽器の協奏曲集で、アインザッツを合わせる意外だと思えるようなロック調の掛け声が、フレーズごとに聞こえてきますし、それをわざわざ・・意識的に録音させているように思います。このあたりも競い合いの精神の表れかもしれませんね。
Commented by Abend at 2012-01-26 23:37 x
sawyer様、こんばんは。
お気遣いいただき、恐縮しております。
即興性こそが奏者の技量であり、楽譜どおりの演奏などは下手の証しであるという考え方は、バロック期の、特にイタリアやフランスなどでは普通だったのではないでしょうか。作曲家にしても、当時は「作曲もする演奏者」のことであり、これが時代とともに「演奏者でもある作曲家」へと変遷して来たのだと思います。記譜法が緻密になり、テンポに加えて表情までもを作曲家が指定するようになるに連れて、奏者の腕の見せ所としての即興性が失われて行きました。協奏曲のカデンツァは、オペラのアリアのカデンツァが器楽に取り入れられたものですが、これらも過去の奏者や歌手のものを踏襲するのが普通になって行きましたね。
Commented by noanoa1970 at 2012-01-27 06:19
Abend さま
>即興性こそが奏者の技量であり、楽譜どおりの演奏などは下手の証しであるという考え方は、バロック期の、特にイタリアやフランスなどでは普通だったのではないでしょうか・・

過去の演奏ですがクルト・レーデル/ミュンヘンプロアルテの一連の演奏はいち早くそれを意識した大先輩にあたるのでしょう。小生は大好きです。
Commented by HABABI at 2012-01-27 22:37 x
sawyerさん、こんばんは
約30枚を一気に聴かれたのでしょうか? 何れにしろ、短い間に、随分沢山聴かれたのですね。
ヴィヴァルディの音楽は、バッハに比べると娯楽性が高いですが、気品も兼ね備えているので、聴いていて気持ちがいいです。
sawyerさんが聴かれて、寝る時に聴くのが良さそうな曲がありましたら、教えて頂ければと思います。HABABI
Commented by noanoa1970 at 2012-01-28 16:12
HABABI さん、こんにちは
毎日2から3枚は聞いてました。寝る前にも。聞きなれたフレーズに安心し、時d木出てくる斬新なフレーズに驚いたりしています。眠りにつく為の音楽としては、ことごとく失敗で、さらに1枚行く羽目になったことが多いです。印象に残るもので特にあげると、小生の盤では
CD24
・様々な楽器のための協奏曲集
 弦楽と通奏低音のための協奏曲ト長調、チェロ協奏曲ト短調、トラヴェルソと弦楽のための協奏曲、2台のトラヴェルソと弦楽のための協奏曲ハ長調、ヴァイオリン協奏曲ト短調、トラヴェルソとヴァイオリンとチェロのための協奏曲ニ長調
 イェド・ヴェンツ指揮、ムジカ・アド・レーヌム、他

CD25
・複数楽器のための協奏曲集
 協奏曲RV.562a、RV.576、RV.566、RV.538、RV.569
 モード・アンティクオ

以上が印象的でした。
Commented by HABABI at 2012-01-28 22:17 x
sawyerさん、こんばんは

印象に残ったCDを教えて頂き、ありがとうございます。「様々な楽器のための協奏曲集」と「複数楽器のための協奏曲集」の2枚は、私のところにあるCDと同じで、本文に書かれた「マンドリン、リュートの協奏曲集」は私のところにあるものとは違いますね。
「様々な・・・」の方は、かなり快活な演奏で、就寝前に聴くのには向かない印象がありますが、やはり、古楽器の響きには魅力を覚えます。

寝る前に聴くという訳ではありませんが、私は“普通”のクラシック音楽を聴き過ぎて頭が変な固定観念のようなもので縛られたような感じになった時に、意識してアメリカの現代音楽の曲を聴くことがあります。エリオット・カーターとか、ルーカス・フォスとか、あるいはジョン・ケージ(プリペアード・ピアノの曲)とかです。頭の中が解れて行くのが分かります。このように感じるのは、私だけなのかもしれませんが。HABABI
Commented by noanoa1970 at 2012-01-28 22:52
HABABIさん、こんばんは
現代音楽・・・・
眠るときに聞くなんて経験していません。一度試してみようかとは思いますが。
今夜はオーディオ協会発行のCD音響チェックを課kれっぱなしにします。
オーディオ通の方からエージングには低周波から高周波まで再生を繰り返すのが良いとのアドバイスです。明るいうちはやはり音楽が聴きたいので、夜眠っているであろう時間帯に小さなボリュームで。