小生の愛聴盤

何気なく購入したものが愛聴盤になることはそう珍しくはなくなってきた。(このような意味のないジャケットの音盤、通常なら絶対購入しない。BONSAIシリーズとは、弱小だか価値が高い・・「山椒は小粒で・・・」を表すのだだとは思うが、あまりにもプアーでチープすぎ、しかもまんま盆栽の写真だから目も当てられない)

音楽ソフトの価格が相対的にも、絶対的にも安価になったので、昔のようにすごく吟味してから購入することが少なくなり、いつ購入したかも忘れてしまった音盤の中に、素晴らしい物があるのを経験する機会が増えてきたように思う。(と言いつつもこのCD2500円、まあ当時は其れでも安価な方だったのかも知れない)

ネットの紹介などを見て、ちょっと目に留まるものがあると、じっくり考えもせずに購入ボタンを押すようになって久しいから、思いもしなかった素晴らしいものにめぐり合うことが可能になるチャンスが多くなってきたのだろう。

ネットでの音盤購入は音盤の価値を自ら下げることにつながるが、一方かつて無い偶然的発見の楽しみを内包しているのも事実だ。

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「マンドリン」というあまり身近ではない楽器に釣られたのか、いつ購入したのかも忘れてしまった音盤がある。

去年11月頃、ふとそれがあるのに気が付き聴いてみると、昔聞いた時の記億とは全く異なる印象を持つことになった。

2つのマンドリンで奏でられる協奏曲ト長調、この曲は他にもギターやバイオリンなどの楽器で演奏され、耳に馴染んだ曲だが、マンドリンで聴いたのはこの音盤が初めて。

記億では2つのマンドリンが同じように聴こえて、しかも「焼き直し」的な音楽としてしか認識しなかったので、つまらない音楽に聞こえてしまい、おそらくはそのことで20年以上しまいっぱなし状態になっていたのだろう。

しかしこれがとんでもない誤解、耳が収斂されてなかったのか、2台のマンドリンハ音色も引き方も相当な違いがあり、それが掛け合いをしながら進んでいくのだから、また両者の位置が見通せる素晴らしい録音、マスタリング甲斐があって、演奏録音どれをとってもとても素晴らしい音盤となっているのを発見した。

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協奏曲ハ長調P16では、空気で風を送っているような不思議な低い音が聴こえてきた。
初めて聞く音で、何かと調べると、「サルモ」=「シャルモ」=「シャリュモー」だと言う。

クラリネットの前身だそうだが、不思議な音色の百鬼夜行だ、それにこの曲にはマリーナ風バイオリンというものが使われている。

マリーナ風とは「海の波のような」ということであろうか、バイオリンなどのフラジオレットのような奏法で、倍音のみを奏するという、この時代は様々な楽器や奏法が百花繚乱した時代であったことを思わせるもの。

「マンドリン」といい「マリーナバイオリン」、「サルモ」、「テオルボ」など異種の楽器の巧みな活用、、ヴイヴァルディという人は「四季」だけで知っている人ではないことを思い知らせる感性の持ち主と、改めて思い知った。

良く眺めてみると、小生の所有する音盤は、バッハよりヴィヴァルディのほうが倍ほど多い。
多分クラシック愛好者では珍しいかと思うが、ヴィヴァルディの感性は小生によく合っていて、それで結果音盤が多くなったのだが、一方バッハは還暦を過ぎてからじっくり聞こうと決めていたせいもあって、これ迄積極的には聞いて来なかった。

でもやはり小生には、バッハよりヴィヴァルディの「あっけらかん」が魅力的だ。
2012年は更にヴィヴァルディを極めて見ようかと思っている。


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by noanoa1970 | 2012-01-13 08:25 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(16)

Commented by こぶちゃん at 2012-01-13 12:27 x
おはようございます。また珍しい盤ですね。
このERATOの盆栽シリーズ、内容は決して凡才ではないですね(笑)。
私は、このシリーズでは若きピレシュ(当時はピリス)が弾いたシューベルトのD.960の名演が忘れられません。
廉価シリーズなのに2500円とは当時が如何に高かったか…ちょっと懐かしいバブルの時代(爆)
ヴィヴァルディはレコード時代はイムジチ全盛で他に余り選択肢がありませんでしたが、ヴィオラ・ダモーレとか珍しい楽器をフューチャーした協奏曲の他、スターバト・マーテルやグローリアと宗教曲の名曲も遺しています。
私は入門がバッハだったので20代からバッハのコレクションが膨大になってしまいましたが、ヴィヴァルディも好きです。
彼の作品はバッハ編曲でチェンバロ協奏曲にもなっていますね。
Commented by こぶちゃん at 2012-01-13 12:55 x
追伸です。シモーネ指揮のヴィヴァルディのVnは後にとても有名になるカルミノーラ(カルミニョーラ)なんですね。
Commented by noanoa1970 at 2012-01-13 16:32
こぶちゃんさん
このシリーズ、小生はこの1枚しか所有しません。
また何故これを購入しようと思ったのかも思い出せません。
しかし演奏といい、録音といい70年代後半録音にかかわらずすごく良いです。多分現在はジャケットも代わり廉価盤デ出ていることでしょう。隠れ名手が多くいるのもすごいこチオです。ERATOはさすがです。
Commented by Abend at 2012-01-13 19:14 x
sawyer様、こんばんは。
コレクションBONSAI、私は2つ持っています。レッパード/イギリス室内Oのメンデルスゾーン/『真夏の夜の夢』序曲、『イタリア』、『宗教改革』と、レッパード/スコティッシュ室内Oのハイドンの交響曲98、94、101、104です。ハイドンは2CDですので、"DUO BONSAI"と記されています。
"シモーネ"といえば、我々の世代はクラウディオ・シモーネですが、若いクラシック愛好家にとっては指揮者のシモーネ・ヤングのことかも知れませんね。
モーツァルトの葬儀は、ウィーンの貧民墓地で最下等(穴に放り込まれるだけ)のものだったといわれますが、ヴィヴァルディも同じウィーンで同じ最下等の葬られ方をしています。ヴィヴァルディは、近代の協奏曲を確立した作曲家ですね。
Commented by noanoa1970 at 2012-01-13 21:10
Abend さま、こんばんは
シモーネ→シモーネ・ヤング同様コンヴィチュニー→ペーター・コンヴィチュニーのほうが勢力が強くなって来ましたね。
この音盤ですが演奏も録音も非常に良いです。
Commented by HABABI at 2012-01-14 09:13 x
sawyerさん、おはようございます
同じ演奏録音ではありませんが、マンドリン協奏曲のト長調とハ長調のものを持っています。ブリリアント・レーベルのヴィバルディの40枚CDの箱物に入っていたものです。家人が、調子が悪いときに聴いていたのが、この箱物の一連のCDで、リュートとヴィオラダモーレの協奏曲ニ短調の第2楽章ラルゴなどは、思い障害を持った子も反応する特別な音楽とのことで、確かに、この楽章が始まった途端に、私も、はっとします。
他に、家人の薦める癒しの音楽として、パレストリーナのミサ曲やモテトゥスがあり、演奏云々ではなく音楽そのものに惹かれるようです。
多分、コンデンサーSPで以上の音楽を聴くと、特別素晴らしい響きがするのではないかと思います。
Commented by noanoa1970 at 2012-01-14 11:56
HABABI さん、こんにちは
ブリリアント・レーベルのヴィバルディの40枚CD、昨日HMVに注文しました。ERATOのBOXが欲しかったのですが、あいにく廃盤で、中古でも数万円しますので、諦めてDECCAと迷いましたがこちらにしました。 HABABI さんのコメントで、小生が注文したものを確認したところ、HMVよりAMAZONが2000円近く安いことがわかり、取り消してアマゾンに発注したところでした。アマゾンのCDはやや高めのことが多いので意外でしたが、 HABABI さんのコメントがなければ、みすみす高いものを入手するところでした。CD2枚余分に買えますから馬鹿になりません。最近SONYから安価なBOXが出ています。ペライアのモーツァルト「ピアノ協奏曲全集」、ヤノフスキの「指輪」、ワルターの「マーラー」、「ストコ」なども発注しましたので届くのが楽しみです。SPもそろそろ帰ってくるでしょう。パレストリーナは確かハルモニアムンディの全集にあったと思いますので聴いいてみます。
Commented by Abend at 2012-01-14 23:18 x
sawyer様、こんばんは。
ソニーの廉価BOXは、ラインスドルフのべト全とストコのRCA録音集を買う予定です。特に、ラインスドルフのべト全が再発されるのは喜ばしい限りです。
パレストリーナは、『教皇マルチェルスのミサ』が有名ですが、スターバト・マーテルやモテットも実に美しい作品です。私は、ウィルコックス/ケンブリッジ・キングズ・カレッジChoのものを愛聴しております。ウィルコックスにはフォーレのレクイェムもありますが、これも素晴らしい演奏です。

Commented by noanoa1970 at 2012-01-15 08:25
Abendさま、おはようございます。
朝からヨッフム/バンベルクのブル7を聴いております。
SONY廉価BOXかなりよさそうですね。ラインスドルフ、小生も購入しようか迷ったのですが手持ちの第9でしばらく我慢することにしました。機会あれば視聴印象お聞かせください。パレストリーナ、手持ちを昨日聴きました。3声4声のコーラスの音楽は心が落ち着きますね。偶然に「土曜日」が共通項でした。
幸いなるかな天の女王
聖土曜日の哀歌
誇り高い地上の支配者達は
ミサ・イン・ミノリブス・ドゥプリチブスⅡ
ドミニク・ヴェラール指揮,アンサンブル・ジル・バンショワ,
コルマー少年合唱団,バーゼル・スコラ・カントゥルム
ウィルコックス盤フォーレクにはパレストリーナも入っているのですね。これは所有してませんので入手したいです。
Commented by Abend at 2012-01-15 13:28 x
sawyer様、こんにちは。
女子駅伝は御所のところを走っています。大阪がトップですね。
ラインスドルフの第九は、ボストンSO盤、ベルリン・ドイツSO盤ともに秀逸な演奏ですね。前者では、若き日のドミンゴ、ミルンズが歌っているのが魅力です。
混声四部が合唱の標準形態になったのは近代になってからですね。キリスト教では、女性は教会で声を出してはならないとされていましたから、典礼音楽ではボーイ・ソプラノということになります。声部が最も多いのは、ビーバーの53声部のミサでしょうか。以前はべネヴォリの作品とされていましたが。
3声、4声のものが一番落ち着くのは、我々の感性が近代的であるがゆえでしょう。





Commented by noanoa1970 at 2012-01-15 14:33
Abendさま、こんにちは
ラインスドルはBSO盤を所有してます。良い演奏だとおもいます。カップリングに「ワルソーの生き残り」が収録されてますが、この組み合わせは意味深長です。
ビーバーはレクイエムしか聴いておりませんが、なかなかの曲だと思います。
Commented by Abend at 2012-01-16 21:27 x
sawyer様、こんばんは。
私の所有するボストンSO盤は、第九の一枚物で『ワルソーの生き残り』は収録されていないのが残念です。確かに、この曲と第九のカップリングは意味深ですね。他にはこのカップリングを知りません。
Commented by noanoa1970 at 2012-01-17 08:56
Abendさま
小生所有は、RCA、REDSEALの輸入盤で、ブロンズ像のベートーヴェンの
ジャケット下に、HIGH PERFORMANCEとあります。
なぜこのカップリングなのか、考える所がありますが、意識してそうしたのだろうと考えています。
ソウであるならこの音盤のプロデューサーは、相当切れものであろうと思います。
Commented by noanoa1970 at 2012-01-17 09:02
追記
ジャケット写真はここで見れます。
http://sawyer.exblog.jp/2305202/
Commented by noanoa1970 at 2012-01-17 09:05
追追記
こちらのほうが写真が綺麗です。
http://sawyer.exblog.jp/5839417/
Commented by Abend at 2012-01-17 23:55 x
sawyer様、こんばんは。
記事のご教示、ありがとうございます。まず、非常にインパクトの強いジャケですね。ベートーヴェンの表情が、他に例を見ないカップリングの意味を語っているように思います。次に、『ワルソーの生き残り』では、私が昔から最高のバリトンと思っているミルンズがナレーションを務めているのが印象的です。『ワルソーの生き残り』と似たシチュエーションの作品として、聴いてみたいと思っているのが、ヘンツェの『エル・シマロン』です。104歳の脱走奴隷の男が語った惨状に取材した作品で、近々CDを購入しようと思っています。