二人の黒人女性歌手で「アヴェマリア」を聴く

クリスマスイヴにはいつも非クラシック系統の音楽を聞くことが多いが、今年は志向を変えて、「アヴェマリア」にした。
「アヴェマリア」には多くの作曲家の作品があるが、ここはやはりバッハ/グノーの曲を二人のアメリカ黒人女性歌手で聴くことにした。

最初は小生の好みのレオンタイン・プライス、カラヤンとVPOがサポートした往年のクリスマス名曲集をLPで。
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1961年録音だが、さすがにDECCAだけのことはあり、今聴いても決して色あせていない。
カラヤンもプライスも絶頂の時期に録音されたものだ。
50年代後半から60年だ前半の、VPOとのDECCA録音時代のカラヤンは、一番栄光の時ではないだろうか。

もう一つはキャスリン・バトルがクリストファー・パークニングのギターをバックに歌ったもの。
東芝EMI初期のもので、録音が良いという触れ込みで発売されたCDだったと記憶する。
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今聴くと相当な機械雑音が入っているし、触れ込みほどの高録音ではないように思うが、歌唱はさすがに素晴らしい。
バックのくぐもったギターとバトルの声は、ミスマッチではないだろうか。

バトルの声は美しさと若い女性の色気が共存していて、高域のビブラートの抜けるところを聴くと背筋がゾクッとしてきてしまう。

バトルの色気はどうもそれらしく装ったものに感じるが、やや低めのソプラノのプライスは大人の色気がある。

芦田愛菜という今評判の子役がいるが、小生はあの作りに作った演技がどうも好きになれないが、それに似たようなところをバトルに見てしまうことがある。

いずれも黒人歌手特有の「張りと艶」が有り、とくに高域が美しいが、プライスは芯のしっかりした声、バトルは倍音成分豊かでやや鼻にかかった声。

いやはや甲乙付けがたいが、ここはオケをバックに歌いこなしたプライスに一日の長があるのを認めることにする。

バトルは高域でやや不安定になる所があるが、プライスはいかなる時にも安定しているし、ビブラートがバトルより少なめなのも小生が評価する理由だ。

カラヤンのバックも、オペラで鍛え上げただけのことはあって、のちのグンドラヴ・ヤノヴィッツとの「4つの最後の歌」に匹敵する素晴らしいものだ。

小生所有のLPは廉価再発盤だから、細かい所が出し切れてないから、リマスターさサれたCDでぜひとも聴きたいものである。



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by noanoa1970 | 2011-12-24 13:25 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(27)

Commented by HABABI at 2011-12-24 22:08 x
sawyerさん、こんばんは

写真のパークニングのギターは、ホセ・ラミレスですね。普通のギターより一回り大きく、音も大きく出ます。量産されてはいますが、やはり高価です。
このCD、持っていませんが、写真を見て以上のことがすぐ頭に浮かび、声量の大きくないバトルとは、その意味ではいい組み合わせだと思いました。しかし、バトルの声が綺麗過ぎるのと、1枚だけ持っているパークニングのLPから想像する限り、表現力の点でもバランスが悪かったのかもしれませんね。
カラヤンのこのLPは持っています。白っぽいジャケットの廉価盤です。この頃のカラヤンの演奏は、どれも好きです。表現に必要なテクニックをすべて身に付けて、音楽を聴かせてくれているように思います。
Commented by noanoa1970 at 2011-12-24 23:14
HABABI さん、こんばんは
今天皇杯サッカーを見終わったところです。PK戦が多い天皇杯になりました。
一回り大きなギターですか。調弦を変えているのか、全体に音が太めに出ているようです。そのせいかやや音像がぼやけ気味に感じられました。バトルはその後ジュリーニとのフォーレクを聴きましたが、冗長度が高すぎるジュリーニとビブラートタップリのバトルのピエイズにすっかり興ざめしてしまい、以来バトルを積極的に聞くことがなくなりました。それを覆すような音盤があればご教示いただければと思います。
Commented by Abend at 2011-12-25 00:13 x
sawyer様、こんばんは。
コレルリのクリスマス協奏曲を聴いています。イ・ムジチの1962年盤です。
ラミレスのギターは、月光堂にもありましたが、とても手の出るような値ではありませんでした。クラシックギターは、10万円前後のものから上で明らかに違うのは30万、40万円クラスだと店主が言っていました。
バトルとジュリーニのフォーレクは私も持っていますが、私には合わない演奏です。アメリンク、クルイセン&フルネ/ロッテルダムPOが、私の最高のフォーレクです。
Commented by HABABI at 2011-12-25 06:40 x
sawyerさん、おはようございます
バトルの録音は、フォーレのレクイエム、カラヤンのニューイヤーコンサート(その中の「春の声」1曲)のCDを持っています。カラヤンとの「ドン・ジョヴァンニ」(ツェルリーナ役、DVD)も持っていましたが、息子にやりました。軽めの曲が向いているようで、カラヤンが上手に特長を生かしていたと思います。
Commented by noanoa1970 at 2011-12-25 08:20
Abendさま、おはようございます。
ほんの少しですがホワイトクリスマスになりました。
イ・ムジチのコレルリのクリスマスオラトリオいいですね。
フルネ/ロッテルダムのフォーレク、小生は未聴ですので、何れ聴いてみたいです。歌唱陣がとくによさそうですね。
Commented by noanoa1970 at 2011-12-25 08:25
HABABI さん、おはようございます。
>軽めの曲が向いているようで・・・
小生もそんなような気がしていました。
サラ・ブライトマンと同じような系統かと。
バトルの声の要素からすると、硬いクラシック音楽は演奏楽曲が多分限られるのでしょう。
ツェルリーナ役はピッタリのように思います。
何れ探して聴いてみようと思います。

Commented by HABABI at 2011-12-25 09:56 x
皆様、おはようございます
35年ほど前の話ですが、ラミレスのギターは、安いものでも40万円以上だったと思います。その頃、希少価値の高かったアグアドやフレタのギターは、中古でも100万円を超えていたように記憶しています。アグアドのギターは、ギターとは思えないビーンと響く力強い音がし、フレタのギターは、会場を包み込むような柔らかく、しかしはっきり聴こえる響きだったと記憶しています。私が今持っているのは、中出敏彦1978年作のDELUXE20です。買ってすぐに指を怪我し、ほとんど弾いて来なかったので、響きが出ていませんでしたが、最近、少し繊細さを伴った良い響きになって来ました。ぽつりぽつりと弾いています。ギターは耐久性がないので、見た目は新品ですが、いつまで持つかは分かりません。
Commented by cyubaki3 at 2011-12-25 10:44 x
>50年代後半から60年だ前半の、VPOとのDECCA録音時代のカラヤンは、一番栄光の時ではないだろうか。

その時代のカラヤン好きです。特にドヴォルザークの8番は愛聴盤でした。フィルハーモニア管を振ったEMI時代もいいと思います。
Commented by noanoa1970 at 2011-12-25 11:02
cyubaki3さん、こんにちは
カラヤン/VPOのドヴォ8、小生も好きな演奏です。
CDになってブラ3とカップリングされましたが、これも素晴らしい演奏です。
Commented by noanoa1970 at 2011-12-25 11:12
HABABI さん、こんにちは
小生はクラシックギターには疎いので恐縮ですが、演奏家そして使用ギターで音がずいぶん異なることは音盤を聴いても良くわかります。トラッドフォークの世界ではチューニングを変えることをよくやりますが、クラシックギターでも同じように変えることがるのでしょうか。小生は新しいマーチンD28というアコースティックギターを使用していますが、D45になると平気で100万近くしてしまうようです。またアンティークのD18,28でもそのぐらいはしてしまいます。希少価値というのもあるでしょうが、音が良いという話が多いです。価格こそ違いますが、ヴァイオリンと同じような扱いをされるようです。
abendさんもクラシックギター愛好家のようです。何か書きこんでいただけることでしょう。
Commented by HABABI at 2011-12-25 19:56 x
sawyerさん、こんばんは
クラシック・ギターでは、頻繁ではありませんが、一番太い弦(E)をDに調弦する楽譜に出くわすことがあります。カポタストもあり、それを使うことを前提とした楽譜(バッハのリュート組曲)を持っています。
クラシックギターの寿命は、その一番良い時の響きを、いつまで維持出来るかで決まると思いますが、振動の大きい表面板はもちろん胴の他の部分も塗料の影響を受けやすい様ですので、経年変化は避けられない様に思います。
中古店で見つけた古いD-18を持っています。傷だらけですが、音はまずまずです。板も厚く、丈夫そうです。あるウェブサイトをみると、アコースティックギターは、表面板に割れが発生するようですが、普通に扱っていれば、まだ何十年も先のような気がします。
Commented by cyubaki3 at 2011-12-25 21:15 x
>CDになってブラ3とカップリングされましたが、これも素晴らしい演奏です。

私が聴いたのもそのCDです。ブラームスもいいですね。

Commented by noanoa1970 at 2011-12-25 22:04
HABABI さん、こんばんは
E→Dですか、オープンチューニングはトラッドフォークの世界かと思っていましたがクラシックギターでもあるのですね。
カポを使う楽譜があること初めて知りました。バッハの時代にカポがあったのでしょうか。それとも後世そのような楽譜が造られたのでしょうか。古いD18とはいいですね。マーチンの歴史はD18からといっても過言ではないと思います。
Commented by HABABI at 2011-12-25 22:32 x
sawyerさん、こんばんは
カポタストを使う楽譜は、オリジナルのリュートの調性に合わせるために、現代(日本)の作曲家が編曲したものです。響かないので、あまりその楽譜で練習したことはありません。
先ほど小生のブログにアップしましたが、弾き込まないうちにギターの音が変わって来たというのは、ある意味、劣化が始まったように感じています。最初に、低い方の音から張りが無くなっていくのだろうと思います。出来るだけ、ゆっくり進行してくれればと思っています。
Commented by Abend at 2011-12-26 00:53 x
sawyer様、こんばんは。
カポタストは、18世紀には使われておりました。ギターが現在のような6単弦になったのもこの頃です。
それまでのギターは4複弦~5複弦で、ホールがなく、円形の装飾が施されているものでした現在のギターのホール周りの装飾は、その名残ですね。かのストラディヴァリも、このようなバロック・ギターを製作しています。バロックの時代はリュートが中心で、バロック・ギターも、その造りからリュート属の楽器であったことがわかります。
ベートーヴェンは、ギターを「小さなオーケストラ」と評したといわれていますが、ギター曲の作曲家として、この楽器の地位を高めたのは、やはりベートーヴェンと同時代のソルやアグアドによるものです。
Commented by noanoa1970 at 2011-12-26 08:29
HABABI さん、おはようございます。
カポ、使うとたしかに音が悪くなりますね。しかし小生オはこれなしで弾くことが出来ません。何しろコード奏法しか脳がないもので、仕方有りませんが、本格的にクラシックギターで基礎を作っておけばよかったと悔やまれます。
Commented by noanoa1970 at 2011-12-26 08:39
Abendさま、おはようございます。
カポが18Cにすでに使われたということですが、必要に応じて考えるものと感心します。小生所有のマーチンは「D」から始まる個体標識が付きますが、おもいろいことにこの「D」は躯体が非常に大きかった戦艦「ドレッドノート」から名付けたそうです。確かに大きくて小生は少し持て余し気味です。フォークソングの「イルカ」が大きなマーチンD45を抱えて歌う姿で大きさが想像できます。ベートーヴェンと同時代の作曲家の作品はとても興味が有ります。ベートーヴェンの秘曲集を入手し聴きましたので、今度はそのあたりをと思ってます。
Commented by noanoa1970 at 2011-12-26 08:51
HABABIさん
ブログに手ギターの写真拝見しました。
少し小ぶりで体に馴染みやすいように思います。
それに形がとても良いですね。うら若き女性の体を想像させるようでした。小生もマーチンでなく、国産のギターを購入すべきと反省しています。ただよかったのは板目の天板が使われていて、俗に虎目とも言うのだと、ギター屋のおやじが選定してくれました。その時色が茶色になったD18があり、親父はそちらを勧めると言いましたが、中古品みたいなので、それに色が徐々に変化するのを見るのが楽しみなので、やめましたが、音は確かによかったです。マーチンは現弦を張りっぱなしにしておきますが、クラシックギターでは緩めるのでしょうか。
Commented by Abend at 2011-12-26 22:45 x
sawyer様、こんばんは。
私は緩めていません。緩める、緩めないは人様々です。ギターの弦の張力は60kg~70kgと言われていますが、私は特に緩める必要性を感じてはいません。
日本の作曲家では、伊福部昭のギター曲が素晴らしいと思いますが、楽譜を見るだけで私の技量では無理です。『古代日本旋法による蹈歌』と『箜篌歌』の楽譜は持っていますが、哘崎考宏が弾いたCDを聴くと、難曲であることがよくわかります。このCDには、個と筝曲からギター用に編曲された『胡蛾』も入っていますが、この美しい曲は、作品名のとおりかの『モスラ』のテーマです。
Commented by HABABI at 2011-12-26 22:46 x
sawyerさん、こんばんは
クラシックギターの弦は、学生時代には、約3週間毎に新しいものに替え、普段は緩めていたことが多かったと思います。弾いているうちに弦が伸びて音程が下がるので、頻繁に調弦していました。弦が伸びなくなった時が、弦の寿命と言われていました。
今も活躍している某Sギタリストは、弦を替えないことで有名でした。
私のD-18は張りっぱなしです。表面版は、普通の白っぽいものではなく、“茶色”です。マーチンらしくないと思っています。
Commented by noanoa1970 at 2011-12-27 00:28
AbendさんHABABIさん、こんばんは
この話の発端は、名フィルでチェロを弾いている人が来た時、マーチンのギターを手にとって、弦は張りっぱなしにしておくのかと聞れたことにあり、張りっぱなしにするのは、ヴァイオリンと一緒だといったことにあります。プロのいうことだからソウかと思いましたが、よく考えると、楽器の個性やネックの強度などによって、持つ人それぞれに違うのではないかと思ったことがあったからでした。緩める張りっぱなしは楽器と使う人、その環境によって違わなければおかしいですね。
Commented by noanoa1970 at 2011-12-27 00:30
Abendさま
伊福部のギター編曲作品は聴いたこrとが無いです。
「モスラ」は聴いてみたいですね。
Commented by noanoa1970 at 2011-12-27 00:34
付け足しです
マーチンギターの表板の色は新しい時はスプルース色ですが、経年と共に色が濃くなってきて、ニス色の濃い色に変わっていきます。多分クラシックギター出はあまりそのようなことはないように思いますがどうでしょう。
Commented by Abend at 2011-12-27 19:19 x
sawyer様、こんばんは。
『胡蛾』の原曲であるモスラのテーマ「聖なる泉」はこちらで聴けます。
http://www.youtube.com/watch?v=IGQRkyUD-fo&feature=related

クラシックギターでも、スプルース表板の高級ギターは、使われているラッカーによって経年変色するようですね。
Commented by HABABI at 2011-12-28 05:50 x
sawyerさん、おはようございます
あまり色が変わるという話は聞かないように思いますし、私の今のギターも、壊れたままの前のギターも、特に気付くような色の変化は出ていないように思います。
私のD-18はかなり色が濃く、中古のマーチンをいくつか見ましたが、同じような色のものはまだ見たことがありません。最初から茶系の色であったように思うのですが、よく分かりません。製造番号が刻印されていて、以前、それで検索してみたところ製作時期が分かったので、本物だとは思うのですが。確か、今持っているクラシックギターと同じくらいの古さだったと思います。
Commented by noanoa1970 at 2011-12-28 11:34
Abendさま、おはようございます。
録画したバレンボイム/ミラノスカラ座の「ラインの黄金」を見聞きしています。
ご教示有難う御座います。後ほど聴いてみることにいたします。
ギターの表板の色の変化はラッカーなどの塗料の変化でしょうね。日光に当たるのが原因か、相当な変化をします。
それが長年使用した証でもありますね。

Commented by noanoa1970 at 2011-12-28 11:41
HABABIさん、おはようございます。
マーチンは同じ番号でも様々なタイプのものが発売されていて、演奏家の名前を取った~モデルというものも結構有ります。
その中に最初から濃い茶色とぼかしを入れたものが有り、それを入手されたのではないでしょうか。もしオールドではなくヴィンテージD18なら、相当の価値が有るはずです。ヴィンテージでなくても限定発売のものならば、かなりの価値があります。音が良いことが一番なのは言うまでもないですが。