ミュシャを使用した素晴らしいLPジャケット

小生の好きなレコードジャケットは、EMIの復刻廉価盤(といっても1500円だったが)、フランス音楽のエスプリシリーズと銘打って発売されたもの。

このシリーズには全編にわたり、ミュシャの、恐らくははポスター作品の画像が使用されているが、どのジャケットでも、少女や若い女性の愛らしい姿が描かれている。

レコードショップでひと目見て気に入ってしまい購入したものだ。
このころ小生はプーランクにより深く入ろうと思っていたこともあって、初期盤の発売のころはスターバトマーテルといつのまにかなくなってしまったオーバード、ピアノ協奏曲しか入手してなかったから、廉価であることに加え、美しいジャケットで再発売されたのをいい切っ掛けと思った。

タッキーノ盤しか出てなかったピアノ協奏曲は、入手困難だったので、この再発売はとてもうれしいことであった。

この際手持ちのジャケット写真を記載しておこうときめ、デジカメで撮影したのだが、このジャケット写真の撮影は非常に難しくて、小生の腕では露出があいまいで、バラツキあるものに仕上がってしまった。

ミュンシュ/パリ管のラヴェルはパヴァーヌと、協奏曲が入ったこのレコードと、ボレロ、ダフニスの入ったレコードがあるが、ブラ1と同じ1967年~1968年録音で、多分使用録音機材も同じであると思うのだが、国内盤にもかかわらずこちらのほうが断然音質がよい。

このシリーズは総じて音質のよいものが多かったような気がするが、レコード盤の音質の良し悪しを決める要素はたくさんあるから、その理由は分かるはずも無いことだ。

残念なのは、ジャケットのどこを探しても、ミュンシャの絵の題名が表記されてないことだ。題名があるからどう変わるかといわれれば、答えようも無いことだが・・・・

こういうジャケットを採用すれば、中身の演奏が悪かろうはずがなく、少なくとも小生所有のものは、優れものばかりであった。

ミュシャのポスター絵で思い出すのは、幼年期祖父母の家に遊びに行ったときのこと、かなり年長の叔父叔母たちが、少年少女期に読んだのだろう古い雑誌があって、少女雑誌をめくると、ところどころに少女の愛らしい挿絵があった。

ミュシャをはじめて見たときに、不思議に小生は、幼年期に見た挿絵とが重なって来たことがあった。

和風の家だったが応接間は洋間で作られていて、ドアを開けてすぐ左の壁には東郷青児の模写が掛り、その奇妙なトーンで描かれた不思議な女性の姿は目に焼きついている。

ミュシャの絵は東郷青児のデフォルメされた女性像とは異なり、細密画的な細かさを持ち、細部まで手を抜かずに仕上げてある。
それでいて、女性の顔は、まるで女性漫画家が描く、現実にはありえないような美人女性のように、そしてギリシャ彫刻のように均整の整った女性ばかりである。

アールヌーヴォーの代表のように言われることが多いが、其れは曲線の使用頻度が高かったことからによるもので、もちろん自然の生き物、特に花や草木は使われるのだが、小生は古代ギリシャ・ローマの芸術あるいは、ビザンチン文化との親和性が高いように思う。

同じアールヌーヴォーでも、ロートレック、クリムトとは、それぞれにおいて作風が全く違うから、「アールヌーヴォーだ」と単純に語るのは避けたいものだ。
小生はアールデコへの姿が見え隠れすると強く思っているのだが・・・

ポスター作品が多かったということは、量産されたということで、揚げたジャケットにもリトグラフ「花」があるが、印冊技術の革新があって成り立つものであったはずだ。1900年に開催されたパリ万博は技術の進歩を大幅にもたらしたことだろう。

ミュシャはパリ万博1904年に、スメタナの交響詩「わが祖国」を聞き、「スラヴ抒情詩」の制作を決意したという。
驚いたのは、てっきりフランス人だと思っていたのだが、実は彼はチェコ人であったということだ。

手持ちのレコードジャケットの写真は以下のとおり。

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プーランク:オーバード、ピアノ協奏曲。タッキーノ(P)ジョルジュ・プレートル指揮/パリ音楽院管

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オネゲル:交響曲2番、ラヴェル:ピアノ協奏曲、逝ける王女のためのパヴァーヌ。シャルル・ミュンシュ指揮/パリ管

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サティ:ジムノペティ1and3、パラード、本日休演。ルイ・オーリアンコンブ指揮/パリ音楽院管

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ラヴェル:歌曲シェエラザード、ギリシャ民謡集、ヘブライの歌、デュパルク:旅へのいざない,ドビュッシー:来る日も来る日もむなしく、道楽息子。ジョルジュ・プレートル指揮/パリ音楽院管、ロスアンヘレス(Sop)

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プーランク:小象ババールの物語、典型的動物。ジョルジュ・プレートル指揮/パリ音楽院管、ピーターユスティノフ(ナレーション)

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by noanoa1970 | 2011-10-04 16:33 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(2)

Commented by Abend at 2011-10-04 21:58 x
sawyer様、こちらにも失礼いたします。
フランス音楽のエスプリ1500シリーズ、懐かしいですね。ルーセルの交響曲第3番&『蜘蛛の饗宴』のクリュイタンス盤を持っていました。画像を拝見して、プレートル/パリ音楽院Oのものが結構あったことを思い出しました。サン=サーンスの交響曲第3番は、今もこのコンビの演奏が一番好きですし、初めて買ったオペラのレコードも、このコンビによる『トスカ』でした。
もうひとつ、画像のバックにあるCD棚上段の一番左に、シベリウス交響曲全集のザンデルリンク盤をお持ちですね。このブリリアント盤、私も持っております。ザンデルリンクは先頃亡くなり、プレートルも高齢による引退を表明しており、ピアノのタッキーノも高齢ですね。クリュイタンス/BPOとのベートーヴェン/ピアノ協奏曲第3番は、今も愛聴盤です。
Commented by noanoa1970 at 2011-10-05 01:17
Abend さまこんばんは
>サン=サーンスの交響曲第3番は、今もこのコンビの演奏が一番好きですし・・・
小生も全く同じ思いです。オルガンのデュリフレがあのレクイエムの作者とは長いこと知りませんでしたが、この曲に潜む「神の怒りの日」に気がつき、かなり興奮したことを思い出します。右から2番目にあるグレーのBOXは、LGOを振った4人の指揮者の演奏画を集めたもので、中にザンデルリンクのブルックナー3番があります。ノイマンのマラ5同様素晴らしい演奏です。タッキーノでいずれサティのピアノ曲をそろえたいと思っているのですがまだ実現しません。プレートルは仏国立放送響でプーランクのレクイエムを録音していますが、小生が最初に購入したプーランクでした。宗教曲だからということか、エンジェルのレーベル部分に金が施されています。今凄く欲しいのがドビュッシーの「アシャ-家の崩壊」でこれもプレートル/モンテカルロ管、廃盤となって久しいです。