Kenny Dorham(1959)の記憶

このLPレコードはソリがかなり激しいので、以前のプレーヤー、追従性に優れたSME3009トーンアーム、シュアーV-15Ⅱでもようやく追従出来たが、結果フォノカートリッジのトレース能力が低下することで、あまり言い音がしなかった。

ソリやレーベルの真ん中に開いているべき穴が、真ん中でない(偏芯)ものは、輸入盤に頻度が多かったように思うが、オフセンターの穴にあたった場合は、もうどうしようもないことで、そういう盤では音楽が回転数を周期的に変化させたようになり、まともに聴くことは出来ない。

ソリの場合は、聞けないことはないにしろ、再生音に大きな影響があるし、レコードのソリを直すのは、非常に困難で、これといった方法はないからこれも厄介である。

Prestige盤「Kenny Dorham 1959」も、かなりソリがあるレコードだったから、ほとんど聴かずじまいのレコードであった。

プレーヤーをマイクロBL-111(糸ドライブ仕様)から、レコードのソリをバキュームで強制できるシステムを追加したSX-111FVに変更した後も、このレコードを聴くことがなかったのは、きっと聴かない習慣が身についてしまっていたせいだろう。

昨日そのレコードがあるのに気がつき、30年以上聴かずにいたが、今なら問題なく再生できるはずと、トライしてみることにした。

ターンテーブルにレコード盤を乗せ、いつものように吸着システムのボタンを押すが、しかしレコード盤はターンテーブルから浮いたまま。

こういう経験は他であったから、こんどは、レコード盤に手を添えて、上から少し圧迫してやりながら吸着をかけると、こんどは問題なく吸着。

音質に影響するからか、吸着ポンプの力を強力弱くしてあるとみえて、この盤のようにソリの激しすぎる盤はなかなか吸着しないが、人間の力を介在させれば問題なく、いままで吸着しなかったことはない。

このtレコード、そのままでは、超ハイコンプライアンスのトーンアームとフォノカートリッジで、ようやく再生できるかもしれないが、オイルダンプアームとDENON DL-103では、相当困難であったであろうものが、吸着システムのおかげで、まったく問題なく再生可能になったというわけだ。

思えば、ジャズを頻繁に聞くようになった時、懇意にしていたジャズ専門のショップを利用したことから、そのほとんどを輸入盤が占めていて、中には偏芯やソリがあるものもあったから、購入してまだいくらも立ってないプレーヤーを、糸ドライブの糸の継目がターンテーブルに接触してピーンという音を立てるのが気になったこともあって、新しくベルトドライブ、吸着システムつきのものに変更したのであった。

このレコード、今まで針を落としたのは2~3回のはずだが、輸入盤だけあって、結構スクラッチノイズがある。

確認すると、見てすぐに分かるような3cmほどの傷が入っていたが、最初からのものか、跡で着いたのかは分からない。

小生は、いつか「静かなるケニー」という有名アルバムを聞いてみたい、そう思っていた。
クリフォードブラウンのトランペットも好きだが、「静かなる・・・」とあるから、バラードを中心に演奏しているであろうと推測したアルバムで、なぜあの時それを購入しなくて、この盤にしたのかと悔やまれた。

ところが、それからかなり年月が過ぎたある日、購入しようと思っている「静かなるケニー」アルバム収録曲が、1959盤にあったものと、記憶の数曲がよく似ていることに気がつき、よくよく調べると、全曲同じ曲が収録されているではないか。

パーソネルと曲目データを確認すると、下記のとおりで、まったく同一であることが分かったのである。

しかしジャケットはまったく違っていて、ジャズ喫茶でかかるものや、雑誌でのそれは、小生が所有しているものとは同じではなかった。

オリジナル盤と同じく、Prestige 盤なので、てっきりオリジナル復刻盤でジャケットも同じだとばかり思っていたが、どうやら」それは復刻盤の復刻盤というものだったようだ。

こういうことは、ソニーロリンズのサキソンコロッサスでも経験したことだが、知らずに購入すると中身は同じでもジャケットがオリジナルではないことがあった。

1975年ごろの入手だから、このころは、日オリジナル復刻盤が多かったのかもしれない。
でも、国産復刻レコードのようなジャケットの手抜きはなく、オリジナルよりもよいと思うものもあった。

トミーフラナガンのオーヴーシーズ、オリジナルは文字ばかりがたくさん書かれているもので、アイディアは面白いが、ジャケットとしては賛否両論あること思う。
顔の写真のジャケットが復刻盤になったが、今ならよろしくないが、このころは情報が少ない時代だから、演奏者の顔写真は必要であったという配慮からか、クラシックジャズを問わず顔写真のジャケットはかなり多かった。

というわけで、ジャケットこそ違うが、Kenny Dorham1595と(quiet kenny )Kenny Dorham が同一であると知ったのは、数年後のことであった。

下記のディスコグライーにも、* Kenny Dorham - Quiet Kenny (New Jazz NJLP 8225; Original Jazz Classics OJC 250, OJCCD 250-2)
= Kenny Dorham 1959 (Prestige PR 7754)と記されており、全く同じ中身ということが確認できる。

よく知られているジャケットはオリジナルNew Jazz 8255と同一(だと思う)。
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再復刻盤ジャケットはPrestige PR7754
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片方は「Quiet」を主眼に置いたかのような雰囲気でとてもよい。
またPrestige盤では精悍さのある雰囲気の写真を使っている。
いずれも味のあるジャケットだ。

録音場所がヴァンゲルダースタジオとある。しかしブルーノートで有名なプロデューサー、ヴァンゲルダーが関与したのかは不明。

ものすごいメンバーの集まりで、いずれもがその道の第一人者だ。
曲の前の数字が何を表すか、小生には分かりかねるが、収録曲順ではない。
録音順を表すナンバーかもしれない。

こんなにもやさしい音のトランペットは、それまでジャズでは聞いたことがない。演奏曲目のせいばかりではなく、ドーハムの音楽観の表出と見ることが出来そうだ。

Lotus Blossom はA面最初の曲、これはジャズ喫茶でよくかかっていたので、メロディを覚えていた。

物思いに耽りながら、ウイスキーのショットグラス片手に、深夜に一人で聞くのにちょうどよい音楽。
コルトレーンのバラード、ジョニーハートマン、ヘレンメリルやクリスコナーもよいが、ドーハムも仲間に入れねばなるまい。


Kenny Dorham Quartet
Kenny Dorham (tp) Tommy Flanagan (p) Paul Chambers (b) Art Taylor (d)
Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, November 13, 1959
1916 Old Folks New Jazz NJLP 8225
1917 My Ideal -
1918 Blue Spring Shuffle -
1919 Mack The Knife Prestige PR 7754
1920 Lotus Blossom New Jazz NJLP 8225
1921 I Had The Craziest Dream -
1922 Alone Together -
1923-1 Blue Friday -
* Kenny Dorham - Quiet Kenny (New Jazz NJLP 8225; Original Jazz Classics OJC 250, OJCCD 250-2)
= Kenny Dorham 1959 (Prestige PR 7754)

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by noanoa1970 | 2011-09-26 15:55 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(4)

Commented by K平 at 2011-09-27 20:13 x
お久しぶりです。
異名同内容のジャズレコードって とっさに浮かびませんが、
昔 日本独自のジャケットデザインって 色々ありましたよね。
MILES「KIND OF BLUE」は「トランペット ブルー」って邦題で、
別ジャケットでしたし、SEVEN STEPS~もそうでした。
BUD POWELLのROOST盤やSONNY CLARKのTIME盤
とかも。それはそれで時代を感じさせていいものでした。
私は トランペットに関しては、バリバリ吹く方が好きで、
LEE MORGANとかBUKKER LITTLEが好きです。
でもQUIET KENNYのLPは ビクターのペラペラジャケットで
持ってまして、好きでしたね。
異名、異デザインのLPがあるとは 知りませんでした。
盤に縦に大きな傷をつけてしまいましたが。
Commented by noanoa1970 at 2011-09-27 23:06
K平さんこんばんは
お元気そうで何よりです。
この音盤を入手したころは、自分で購入して聞くようになってからすぐのことでした。1973か4年頃、オリンパスを設置したジャズ喫茶に寄り道していましたが、そのすぐ近くに小さな輸入レコードショップが開店したことに気がつき、いってみると、新婚の夫婦がやり始めた店とわかり、すぐに懇意となりました。その店で見つけたのがこの音盤。別名「静かなるケニー」と呼ばれた有名盤とは違う認識で購入しましたが、同じだと気がついたのはそれから何年も後のこと。New Jazz盤とPrestige盤が存在する理由は分かりませんが、おそらくPrestigeが版権を譲り受けて発売したのではないかと思います。国内盤ではどのようなジャケットでしたでしょうか。国内盤はジャズもクラシックも、全く意に反するようなジャケットで発売されることが多かったですね。ジャケットセンスはどうしてもオリジナルに軍配が上がります。
Commented by こぶちゃん at 2011-10-05 19:23 x
Prestigeの再発盤はオリジナル盤と比べ、市場取引価格は大きく下がりますが、聴き倒すには余りある音の良さです。
この1959は、本当にメンバーがスゴイですね。
ウイスキーはバーボン、それも度数の高いブラントンやエヴァン・ウイリアムス、強烈なブッカースをオンザロックでやったら、すごく美味しく飲めますね…
Commented by noanoa1970 at 2011-10-06 08:06
こぶちゃんさんおはようございます。
そうですね、Prestigeは盤質はともかく、音質がよいものが多いようです。
こぶちゃんさんはバーボン党でしょうか。
小生バーボンの奥義には全くの素人でして、kぉコ10年以上アイリッシュウイスキーをもっぱら飲っています。
入手しやすいジェムソン10年もののストレートが主な飲み方です。
唯一凝っているのはワンショットグラスで、古い鉛ガラスで出来たシンプルなものです。http://sawyer.exblog.jp/5668673/