ガーシュイン「ポギーとベス」から

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ガーシュインのラプソディインブルーから、黒人音楽の源「ブルース」へと発展、ブルースがたっぷり聴けるものをと思い、エラフィッツジェラルドとルイアームストロングの「ポギーとベス組曲」を聴いてみることにした。

その前に、ブルース云々で思い出したのが、「イーグルス」のヘル・フリーゼズ・オーヴァーというアコースティックライヴアルバムに収録された、「New York Minute」の同曲メイキング。

バックのバーバンクフィルハーモニーとの練習中に、曲のイントロを聴いたドンヘンリーが、「ブルースになってない」「白人だから仕方ないか」でも「もう少しブルースがほしい」と要求する場面がある。

下記動画のように、この曲のイントロは、どことなくガーシュインの「サマータイム」を彷彿する、物憂げな雰囲気の曲。



ドンヘンリーは、もっともっとブルージーな雰囲気を出したかったのだろう。

確かに最初は、サラットしすぎていたと思わぬでもないが、いったいどこに不満があったのかよくわからない。

ある音と♭音、たとえばEとE♭の中間の音程、すなわち微妙に低い音程が、本当のブルーノートだという説もあるが、再現するのにピアノはもちろん、オケでは相当難しいと思う。

最初聴いたときは、音程を外していると思ったが、そうではなく、日本人には稀なことだが、「浅川マキ」が、本場の中間音程を心得て、ブルースを歌っている事がわかった。

一般人が日本の民謡を正調で歌うのが難しいように、ブルースもそれを生まれつき身近に接しながら、身につけた人(したがって黒人が多い)でなければかなり難しいだろう。

クラシック分野の指揮者とオケは要求にこたえるために、相当苦労したのではないかと推測される。1つの音の#と♭を同時に弾かせると、実際にはflat:フラットにならなく、少しずり下がったブルーな音になる工夫もされたようだった。

このあたりは確認が必要だが、ブルーノートの本来的な音がわかっていない、クラシック畑の演奏家による、ラプゾディインブルーは、相当数あるものと推測される。

管楽器や弦はともかく、ピアノではブルーノートが出せないから、どうするかは、先ほどのEとE♭を同時に、それもトレモロで引くと、あたかも本来のブルーノートが聞こえるというから、そのことをよく知ったピアニストは、こっそりやっている可能性がある。

前段が長くなってしまったが、「ポギーとベス」の話に入ることにする。

小生はクラシックオペラとしての音源を所有しないので、ジャズ畑のアーティストによる、いわゆるコンサート形式のオペラ、あるいはオペラからの抜粋とも、または歌唱付き組曲といえるものを聴くことになった。

それでもこの音源、イントロの序曲に約10分余りを費やしており、実際のオペラのような雰囲気がある。
誰のアレンジかと気になって調べると、「ラッセル・ガルシア」という人物で、この人はオーケストラルジャズの名アレンジャーで、映画音楽の作曲家としても有名な人だという。

小生が知っている「マーティ.ペイチ」の先生で、彼はクラシック畑の作曲家から作曲法を学んだとされ、シェーンベルクの無調や12音にも明るかったという。

このころのアメリカには、ナチスの迫害を恐れたヨーロッパのユダヤ系の音楽家芸術家が、難を逃れるためt沢山渡ってきたから、先生になる人材は豊富だったから、居ながらにして、古典から近代現代の作曲法を学べたのだろう。

アメリカの作曲家は、すべからくヨーロッパからの亡命作曲家の影響を受けており、いきなり近代・現代の作曲技法に接するチャンスもあったたのだと考えられる。

アメリカでは、今更ロマン主義的音楽作品は通用しなかったのか、小生が知る限り、ロマン主義的な作曲技法のアメリカ人作曲家はほとんど見当たらない。

あえて言うと、ファンが多い「バーバー」がいるが。

書きかけ・・・・多分続く

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by noanoa1970 | 2011-07-05 17:44 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(7)

Commented by cyubaki3 at 2011-07-07 21:03 x
ガーシュインというのはクラシック・ファンからはジャズ寄りの人に見られ、逆にジャズ・ファンからはクラシックの作曲家に見られる、つまり両陣営からあちら側の人と思われているという非常に微妙なポジションにいると思います。確かラヴェルに弟子入り志願して断られたんですよね。「君はガーシュインなのだから二流のラヴェルになる事はない」などと。私はガーシュインというと真っ先にデオダートの「ラプソデイ・イン・ブルー」を思い出します。これはまさにクラシック、ジャズどちらにも属さないカテゴリー不能の音楽です。
Commented by noanoa1970 at 2011-07-08 08:53
cyubaki3さま、おはようございます。
ガーシュインの新しい演奏スタイルとしての「クロスオーヴァー」、「ヒュージョン」は、価値があると思います。
CTIサウンドの立役者、デオダード、小生は1枚しか所有していませんので、youtubeで見つけたものを聴いたところです。
1970年代始めは、リターンツウフォーエバーとかウエザーリポートとか、ジャズ分野でも新しいスタイルが出現し始めました。

その中でデオダードは、ポップス、軽音楽、ジャズ、クラシックの融合という複合音楽を作り上げた元祖的存在でした。
2つのジャンルの複合はありましたが、これだけ多くのジャンルの複合体は初めてで、しかも耳触りの良さで、かなりの頻度で耳にしたものです。今では全く当たり前でしょうが、当時としては画期的な、リズム感に溢れる音楽となってたように聴きました。
エミール・デオダートkey、ジョン・トロペイg、スタンリー・クラークbビリー・コブハムds、やはりいい腕してます。
Commented by cyubaki3 at 2011-07-09 23:35 x
リターン・トゥ・フォーエバーは2008年に再結成されましたね。

これは70年代の動画です。
http://www.youtube.com/watch?v=wSksWyHsYw8
Commented by noanoa1970 at 2011-07-10 11:06
cyubaki3 さま
ありがとうございました。
Commented by Abend at 2011-07-10 22:47 x
sawyer様、こんばんは。
「ラプソディ・イン・ブルー」は、シンフォニック・ジャズと呼ばれているそうですね。クラシックと一番早く融合されたのはジャズで、次いでロックでしょうか。昨日、YouTubeでシンフォニック・メタルを何曲か聴いたのですが、メタルがクラシックとの融合を始めてからは、まだ10数年そこそこのようです。
Commented by noanoa1970 at 2011-07-11 11:37
Abend さま
シンフォニック・メタル、小生にはピンとこないばかりです。
経験的な話では、初めてピンクフロイドの「原子心母」です。
楽章の概念や無限旋律、現実音の取り込み、疑似ソナタ形式といった古典から現代クラシックの要素が巧みに取り込まれていて、今でも好きな曲となっています。少し毛色は違いますがムーディブルース、イエス、キングクリムソンも好きです。1970年後半で止まっているのが、小生のロックです。
シンフォニックメタル聴いてみるつもりです。
Commented by Abend at 2011-07-11 22:46 x
sawyer様、こんばんは。
ピンクフロイドの「原子心母」は中学生の時にFM放送で聴き、言うに言われぬ感動を覚えました。あの牛のジャケットが、非常に印象的でした。
エマーソン・レイク&パーマーの「展覧会の絵」も懐かしく想い出されます。ロックへのアレンジなのですが、1970年代初期という時代においては、非常に新鮮な感じがしました。