心はひとつ

バレンボイム、ラトルの両音楽監督兼指揮者、それに2つのオケが一同に介した義捐コンサートのニュースを発見。

彼らは音楽的に優れているのと同時に、社会的な視野をも持ちあわせている事に、改めて感動した。

組織も経営も音楽的表現法も違うオーケストラが、こんなにも短期間で義捐合同コンサート開催の合意をし、実施に至ったことは快挙と言ってよいだろう。


政治からは遠い存在であるかのような芸術家が、このような決断に至る意思決定を、ものすごい速さで行ったことを、我が国の政府以下関係者は、見習わなくてはならない。

昨今すべての事象に対するアクションが、後手に回るのは、政治における官僚組織思考が原因であろう。

両音楽監督は、カリスマ的存在でもあるが、やはり迅速な意思決定に基づいたアクションを素早行うためには、それなりの人物が必要なのかもしれない。

自分の采配による結果が、すぐに顕著に音に表れる、指揮者とオーケストラの丁々発止の関係で磨かれたスキルは、音楽以外の場面でも力を発揮する。

口ばかり達者な政治家たちが、このような非常時に、ただ手を拱いているとしか思えないような、そして指示なのか依頼なのか理解に苦しむ、情報伝達法とその内容。

やはり日常に甘え過ぎた結果のなせる技であろう。

政治に一番必要ななことは、国家的危機におけるリスクマネージメントであり、事象に対応する意思決定の速さである。

石橋を叩いて渡らないような責任逃れは、政治家には通用しない事を、忘れないでいただきたい。

海の向うでは、芸術家達が日本の復興のために、普段であれば到底考えられないような、異例のチャリティコンサートをひらいて応援してくれた。

非常時だから法律の壁を超えた、異例の対応処置・・・超法規的処置も視野に入れた、素早いアクションが求められる。

このニュースを知ったときの感謝と、彼らに対する尊崇の念は、ずっと消えないだろう。
そして彼らの演奏を聴くたびに、今回のアクションがよみがえることだろう。

出来ればこのコンサートの映像音源をCD、DVD化し、全世界のファンに聞いてもらい、売上を義援金として寄付できるようにしていただきたい。

〈以下ニュース内容〉

【ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とベルリン国立歌劇場管弦楽団は29日、東日本大震災の犠牲者の追悼と被災者支援のため、ベルリン市内で合同でコンサートを開き、約2400人の親日家らが駆けつけた。

 ライバルでもある世界有数の両楽団による合同公演は異例。会場では「離れていても心は一つ」と、日本語とドイツ語で書かれたしおりが配られた。コンサートの収入は国連児童基金(ユニセフ)を通じ、被災地に寄付される。前半は歌劇場側が、ダニエル・バレンボイム音楽監督の指揮で、チャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」を、後半はベルリン・フィルがサイモン・ラトル音楽監督の指揮でブラームスの交響曲第4番を、それぞれ演奏。

 熱演の後、聴衆は「ブラボー」と連呼し、総立ちになって大きな拍手。ラトル監督は同フィルのコンサートマスターを務めた樫本大進さんの肩を抱き締めた。

 両音楽監督とも、たびたび日本で公演している世界的な指揮者。
樫本さんら同フィルの日本人奏者3人は「同僚らの日本への連帯に心から感謝する」との声明を発表した。】(
共同)

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by noanoa1970 | 2011-04-01 06:29 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(2)

Commented by cyubaki3 at 2011-04-01 09:26 x
バレンボイムはサイードと対談したり、パレスチナとイスラエルの合同オケを編成して振ったり昔からけっこう政治にコミットしていますよ。

http://www.msz.co.jp/book/detail/07094.html

http://www.wmg.jp/artist/barenboim/WPBS000090192.html
Commented by noanoa1970 at 2011-04-01 13:55
cyubaki3 さん
昔の巨大クラシック掲示板で、バレンボイムは何故か評価が低かったt事を覚えています。小生は彼がイギリスで振ったフォーレクを聴いてその素晴らしさに驚き、一連のワーグナーの楽劇で、さらにお気に入りとなりました。ユダヤ人の出自がゆえだろうか、ベルリンフィルのシェフになれなかった彼が、宿敵のようなラトルと一緒に義捐コンサート実施に至る経緯は、彼の社会的にひらけた心眼のなせる技でしょう。ご紹介いただいた書物、まだ読んでいませんが、ぜひ読みたいと思っています。
今後2人の指揮者がさらに奥深い音楽的発展することを願っています。