「イエナ交響曲の謎」

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コンヴィチュニーの過去の録音がCDで復刻されるのは、とてもありがたいことである。
R・シュトラウスの「家庭交響曲」の1956年録音のものがDGから復刻された。初CD化だそうだ。コンヴィチュニーはレパートリーの狭い指揮者だと、思われがちだが、実はそうではない。
「チャイコフスキー」の4,5,6番。なんと「ショスタコーヴィッチ」の10番、11‘番。「レーガー」の録音も残している。R・シュトラウスは「アルプス交響曲」、「ティル・オイレンシュピーゲル」なども、少しではあるが残っている。これは小生の推測であるが、多分コンヴィチュニーは1950年代後期から1960年代・・・ながいきしていたら、このR・シュトラウスをたくさん録音したに違いない。「メタモルフォーゼン」の録音があるらしい、是非聴いてみたいものである。

ブルックナーは1、3、6番が未発見であるが、すでに録音していたに違いないと思われる。またマーラーは一部録音がのこっているし、「指輪」も全曲録音の一部が残っている。

このCDで、おや・・・と思ったのは、「フリードリッヒ・ヴィット」という作曲家の「イエナ交響曲」がカップリングされていたことである。小生は長いこと音楽に親しんで来たのだが、この「ヴィット」という作曲家を知らなかった。そして「イエナ交響曲」も然りであった。

DG復刻盤は輸入物であるから、そして、もともとごく少ない解説書はドイツ語、小生は仏語を第2外国語で専攻したので全く読むことが出来なかった。
ただ「ヴィット」の生存期間は、(1770~1836)だから生まれがベートーヴェンとまったく同じでベートーヴェンより10歳長生きである。
「イエナ」とは「イエナ会議」や多くの哲学者を配した知名だということは分かったのだが、ネットで検索しても何も引っかからない。・・・・「ウイット」で検索してダメだったので、「ヴィット」=
KONWITCHSCHNY=コンヴィチュニーから連想して「ヴィット」でやってみてもおなじ結果だったので、以前から利用させてもらって、小生も時々投稿することがある、「掲示板」・・・「クラシック招き猫」で教えを請うことにした。

この掲示板の利用者には、クラシック音楽の熱烈な愛好者が多く、その知見には驚くものがいつもあった。流石に早く、数時間後にすぐに回答があり、それによると予想もしなかったことが分かったのであった。

なんとこの「イエナ交響曲」、1957年以前までは、ベートーヴェン作といわれていたらしいのである。最も若いベートーヴェンの交響曲・・・・そういえば小生が聞いた限り、ベートーヴェンかハイドンに良く似ている・・・「古典」音楽の典型に聞こえたのであった。3楽章に「メヌエット」をおいたところは、ベートーヴェンらしくないが、初期のベートーヴェンならそれもありだろう。
発見された楽譜にベートーヴェンのサインがあったという。まだ3回しか聞いてないのだが、これをベートーヴェンの作品と思っても致し方ないと思った。
1957年になって、「ヴィット」の作品であることが学術的に判明したという。

さて小生はこの情報で、なぜコンヴィチュニーがこの「イエナ交響曲」を録音したが・・・その謎が解けたような気がした。コンヴィチュニーはその時代一連のベートーヴェンの作品を録音して残そうと思い立った。当時評価の低かった「合唱幻想曲」本体が演奏されない「オペラの序曲」を含む全て、他の演奏家が演奏しないものまで積極的に録音した。
一連のそうした流れのその中に、この「イエナ交響曲」も有ったのだろう。この曲がベートーヴェン作でないことが判明したのが1957年、コンヴィチュニーが録音したのも1957年である。
恐らくコンヴィチュニーはベートーヴェン作「イエナ交響曲」として演奏録音したのだろうと、小生は推測するのである。1957年X月・・・それが分かれば、推測が正しいか否か分かるのだが、今のところは、不明である。
復刻CDには「ヴィット」作とあるが、コンヴィチュニーの録音の初出時の記載を、ぜひとも知りたいものである。
ベートーヴェンの「幻の交響曲」・・・・「イエナ交響曲」の最後の録音となるかもしれない。
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by noanoa1970 | 2005-07-24 07:11 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(0)