コンヴィチュニーのもう一つの第9

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注文しておいたCDが一昨日届いた。かなり前のこと、「FORLANE」から4番、5番の交響曲と第9のカップリングで発売されたものを入手したのだが、音の状態が悪く、演奏のよさが伝わってこなかった。今回「ARIOSO]からの発売のものは、リマスターしたとあったので、それを期待したのだ。コンヴィチュニーにはすでに定評のある、ゲバントハウス管との全集があるが、この録音は、ライプツィヒ放送響との演奏である。
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コンヴィチュニー(指揮)、ライプツィヒ放送交響楽団
ハンネ=ローレ・クーゼ(S)、エヴァ・フライシャー(Ms)、ロルフ・アブレク(T)、ハンス・クラーマー(B)

これは・・・なんとも凄い演奏だ、全集の録音と基本的な音楽構築には変わりはないと思われるが、それよりもさらに増したアーティキュレーションがあり、、リタルランド、アッチェルランド、クレッシェンド、デクレッシェンドを散りばめて、言いたいことを全身で表現した演奏だ。リマスターの成果で、細かいニュアンスがより鮮明になり、音楽に輝きが出てきた。
ティンパニの鳴り方も、断然良い。

コンヴィチュニーは「両翼配置」=「古典的配置」=第1バイオリンと第Ⅱバイオリンを左右に配置したスタイル・・・を取る指揮者なのだが、有名なベートーヴェン全集では、レコード会社などの要求なのか、「近代配置」=第1バイオリンのとなりに第Ⅱバイオリン配置、を採用している。
しかしこのことはコンヴィチュニーの本位ではなかったのだろうと考えられる。

多くの録音が「モノラル」のため、両翼配置を好む指揮者とは思われていないようであるが、シューマンやメンデルスゾーンなどの演奏では、すこしわかりづらいが、よく聴くと両翼配置で行っているように思われる。情報によれば、1961年の日本公演時にも「両翼配置」で演奏したという。小生は、当時そのようなことなど全く無頓着な時期だったので、記憶にないが。・・・・

独唱陣もこの録音の方がハッキリしたうたい方で非常に好感が持てる。ドイツ語丸出しの歌い方だ。合唱は少人数で、男声合唱にバラツキありで少し難があるもののよく健闘しており、傷はない。

リピート部分の言い回しに大きな変化をつける。小節の終わりの音の前にアタックをつけているところが随所に見られる。・・・コンヴィチュニー節のオンパレードでこれを聴けば従来のコンヴィチュニーへの「保守的」イメージは完全に払拭されるに違いない。
なにより驚いたのが。「友よこのような音ではない」とバスが歌うところ・・・・の「音」=「テーネ」の音階である。
全集盤とは異なる歌い方をしている。これには正直驚いたが、これはこれでよいと思った。
ハンス・クラーマー(B)は実に良い歌い手である。
このリマスター盤によって、「モノラル」では有るが、小生はコンヴィチュニーの第9を、ライプツィヒ・ゲバントハウス管弦楽団とのものより、このライプツィヒ放送交響楽団との演奏をより強く支持する。
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by noanoa1970 | 2005-07-20 07:00 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(0)