YAMAHA、NS-1000を最良に鳴らす方法
実に久しぶりのオーディオの話である。
小生が使用しているYAMAHA,NS-1000は1978年、今から33年前に購入したものだ。
以来、一度不注意にてスピーカーケーブルを接触させて、右のツイーターを飛ばしたことぐらいで、後は何のトラブルもなく、長年傍に置いてきた。
しかしその音と言えば、ピアノではまずまずだが、弦となると、時によっては突然本性をあらわにするがごとく、鋸バイオリンさながらの音を発するのであった。
NS-1000がなんとかまともな音になるようにと、いろいろ手立てをくわえて来たが、どうしようもなく、それでQUAD、ESL-63を入手することにした。
ドライブパワーアンプは、LUXのB12・・・150Wモノラルコンストラクション×2という、当時ではかなり優れたもの。
それにYAMAHA、C-2aという、今でも現役のかなり優れ物のプリアンプでコントロールしていた。
それ以前使用していたYAMAHA、CA-1000Ⅱというプリメインアンプに比べると、NS-1000は重心が下がった各段に良い音がしたが、QUADは全く其の力を発揮できないばかりか、頻繁にアンプがクラッシュするので、その都度ヒューズを交換しなければならないという厄介なことに陥った。
一方NS-1000は、以前よりは少しましになったが、とてもじゃないがクラシック音楽全般を聴くにはトゲがぬぐい去れず満足度が低かった。
それでアンプを、ハーマンカードンhk-87×2で、擬似ブリッジ方式とし、出力を推定300W/Chほど出るようにした。
その結果、音に馬力が出てESL-63のによるアンプクラッシュは、免れることが出来たが、擬似ブリッジの弱点、アンプの歪などの悪い点も倍以上に増長されるから、出てくる音は余り気持ちのよい音とはいえなかった。
NS-1000も、1986年に購入したQUAD,ESL-63も、アレコレやってはみたが、結局満足度の高い音では鳴ってくれす、諦めかけていた2001年のある日のこと。
もう少しで見逃してしまいそうなオーディオ雑誌のごく小さな記事に「ESL専用のアンプ」InnersoundのElestrostatic Amplifierが発売されたとあって、・・QUADやSTAX,Martin Logan など、コンデンサータイプのスピーカーをドライブするのに最適と宣伝されていた。
それで藁をもすがるように、InnersoundのElestrostatic Amplifierをデモしてもらい、そのドライブ能力の高さに、高額ではあったが、まよわずに購入を決意した。
それから7年間は蜜月時代。
QUADが今まで経験しなかったようなハイレベルな音・・・室内楽は言うに及ばずマ^ラーブルックナーワーグナーといった巨大なオケも難なくこなしてを聞かせてくれ、その結果YAMAHA、NS-1000を邪魔物のように部屋の片隅に追いやってしまった。
33年連れ添ってきたが、もうNS-1000と格闘することにはさよなら・・・そう想っていたのだが、なんと皮肉なことか、どっこい問屋はそう簡単に下ろさない。
2008年夏、オーディオルームのエアコンが壊れたが、冷風扇でなんとか凌ごうとしたのが悪かった。
ある日QUADのコンデンサーがリークし始めてしまったのである。
こうなるとお手上げで、修理となるが、費用は60万ほどかかる見積もり。
実は修理はこれで2度目。
その時は20万ほどかかったガ、小生が現役であったから、サラリーマンの特権たるボーナスでなんとかなった。
しかし今は事情がちがって、余りにもの高額に怯えて、手も足もでなく、しかたなくYAMAHA,NS-100に再登場願うことにした。
さて、ここからが本日の本題だが、初めてInnersoundのElestrostatic Amplifierでドライブすると、それまでのNS-1000では再現不可能であった・・・これがNS-1000の潜在能力なのかと、初めて実感することが出来るほどの豊かな音で鳴り響いたではないか。
InnersoundのElestrostatic Amplifierの能力の高さは、コンデンサースピーカーだけに、その能力を発揮するものではなく、ダイナミックス型ピーカーにおいても十分すぎる能力を発揮してくれるという事実に、うれしい驚きを獲得することとなった。
それでもよくよく聴いていると、まだ何かが物足りない・・というか、刺激的な音で鳴る場合が、減ったとはいえ、まだ存在することに気がついた。
それで金銭的余裕もないことだし、アレコレ周辺機器をいじることはやめて、設置環境を見直すことにして、実施したのがTAOKを2種類重ねてスピーカー台としたこと。
そしてこれが1番効果的なことであろうが、アッテネーターを極端にいじって、ツイーターもスコーカーも0db・・・これが「標準」だと思っている人がかなり多いと思われ、小生も30年間0dbにしていたのをいずれもほぼ-4db・・・メモリではそう見えるが、その付近でいちばん聴覚的に良いと思われる位置を耳で聴いて設定した。
アナログとCD、SACDとDVDオーディオでチェックした、その結果。
ツイーター、スコーカーのアッテネーターを絞った悪影響が出ることは全くなくて、それどころか重心がさらに低くなって、バランスのとれた音楽的な音(オーディオ的な音ではなく)で鳴り響き始めてくれたのである。
クラシックでは、定評だったピアノの音は響きが丸くなって、楽器の音色がわかるようになり、弦の音が艶やかで美しく、いつも試しにするアナログのベルリンフィル六重奏団のブラームス弦楽六重奏の最高音部でも、決して金切りとならなくなった。
アートブレーキーの「モーニン」では、JAZZ喫茶の4344などよりもレベルの音響で鳴りはじめてくれた。
カラヤン/ベルリンフィルのベートーヴェン、ミサソレムニス(1974年盤)でのシュライヤー(T)や、ショルティ/シカゴ交響楽団でのルケッティ(T)の張り上げた声も全く歪まなくなった。
そして現在、YAMAHA,NS-1000は、その能力をフルに発揮してくれ、QUADが破損してもじゅうぶんにクラシック、JAZZを問わずに、素晴らしい音を響かせてくれるようになったのである。
部屋がライブ気味であるのなら、アッテネーターを絞ってみるのが、良い効果を生む・・・・損な発見をしたのが苦節30年立ってからというわけであるから、このスピーカーを愛好している方、未だ多いと、御見受けするから、音に不満がある方は是非お試しください。
アッテネーターを0dbからさらに「絞る」・・・なかなかできない発想でした。
by noanoa1970 | 2011-01-05 18:23 | オーディオ | Comments(15)
このSPは中古市場にたくさん出ています。ということは、たくさん売れたと同時に、手放す人が多い証拠でもありますね。
でもたぶんほとんどの方はこのSPの力を存分に発揮できないままに手放されたのではないでしょうか。このSPの能力をフルに発揮するためには、高品質で高出力の…思いのほか費用のかさむアンプが必要でして、ほとんどのユーザーがそうであるような、価格バランスを取ったシステム構成だと、よい音で鳴ってくれません。小生もようやくこのSPの真の実力を知ることとなり、クラシックでもジャズでもとてつもなく素晴らしい音が鳴り響いています。(決して大げさではないです)JBLの4344などを凌駕してしまうのですから、すごいことです。
貴君は確かタンノイのユーザーでしたね。音に満足されてますか?
能力を十分発揮されているでしょうか?
GRFでしたか、それはよいSPをお持ちですね。
タンノイは効率のよいSPですが、だからと言って、皆がやりがちな、極小出力の、球のA級アンプなどで鳴らすのには限界があります。タンノイも進化しているのですから、昔のイメージで装置を組むと失敗することが多いようです。たとえばQUADでもダイナミック型SPを鳴らすことを目的としたアンプでは、どんなに高級なものでも、QUADの潜在能力まで引き出すことはできません。しかしコンデンサー型SPに完全に対応するアンプで鳴らすと、今まで経験したことのないような音で鳴ってくれます。
コンデンサーSP専門のアンプで組んだ小生の環境で聞いた人間のほとんどが驚くことになるのです。彼らの経験値やイメージとは全く違った音が鳴っているからです。
でもQUADの最大の欠陥は、壊れやすいということ。Quality Unit Amplifier Domesticの略ですが、家庭用とは言い難いことで、設置環境に依存するし、修理費はものすごく高額ですので、いまだに修理に出せないでいる、もったいない状況です。
それでもあの音をもう一度聞きたいと思うこのごろです。
アキュフェーズ、ヴィクター、パナソニックの高級イコライザーでも、これに頼ると、なかなか抜けられなくなってしまいませんか。依然小生も実施したことがありますが、音質はそれなりにピュア接続よりも悪化することが多いです。もし定在波が顕著な場合は、ナチュラルなものでそれを吸収する方向が望ましいと思います。イコライザーで測定値がもしわかれば、その周波数を吸収するように試行錯誤することを勧めます。ちなみに小生の天井裏には、ギッシリとグラスウールを詰め込んであります。以下のURL参考ししてみてください。ただし、小生は未使用です。URLhttp://www.phileweb.com/review/article/200910/01/69.html…昭和電線のクワイアットパネルという製品一度確認されたし。
最近はオーディオ関連商品も、テクノロジー発達が顕著だから
役に立つものがかなり存在するようです。
相当偉い方と知り合われたそうで、なによりです。小生は長い時間をかけてたどり着いた方法でいたが、おそらく万人が0dbで使用していると思われます。更に多分1000は和室で聴くの前提に設計されているようですから、ライブな洋室で聴くときには相当調整を必要とするようです。そのあたりの説明がないのがとても残念なことです。モニターSPを家庭で着く難しさを持っていますね。直接床に置くという発想もおそらく和室での発想ではないでしょうか。座して聴くと中高音が耳の高さに揃います。
こんにちは
InnersoundにNS1000ですか。良いかもね。
Quadが破損って残念ね。
私はマーチンローガンで頑張ってますが、当方のは壊れるそぶりも見せません。アンプは色々あってクレルのKSA50Sに落ち着いてしまいInnersoundは眠り、NS1000Mも冬眠中です。
-3db+NS1000M+E300って、遊べるネタです。
QUADは今年の正月に修理から戻りました。
それで、今はもっぱらQUADデ聴いています。
ナーチンローガンは、使用したことはないですが、E-300に決定する直前にクレルKSA80を持ち込んでもらい3日ン試しました。次にE-300を持ち込みデモしてもらって1週間聴きましたが、部屋の環境など比較し、E-300に決めました。クレルはもう中古しかない時だったので、調子も優れなかったかもしれません。QUADが壊れてからの2年間、YAMAHAを調整し、結局アッテベーターを絞ることで、今までで最高の音になりました。QUADが直って聴きましたらYAMAHAがQUADに近い音がしたのには驚きでした。
ハイブリットと純ESLの違いがE-300とクレルKSAの違いになるのかもしれません。
電圧だけでいい純ESLはE300、電流を流がすハイブリットにはKSAかも。
先週スタッドパネルを外して点検したら急に音が出なくなって
大慌て、半田はずれでした。数千V近くある電線の修理はこわごわ。無事音がでて、やれやれでした。
なるほど、そのようなことがE-300の説明書きに書いてありました。
通常の電流タイプのアンプは、どんなに高出力でも、SPが低負荷になると、高域が出にくくなるといいます。
本当は中高域の能率が良すぎて低域が出ないように感じる
のではないかと。
というのは、他の小型スピーカーと切替器で切り替えるとアンプのボリュームの位置はそのままで音が大きくなります。
また、超大音量にしたときには低域はちゃんと出ています。
つまりアッテネータの位置は、おもいきってマイナス側にして高域を絞ってあげて普通一般のスピーカと同じレベルにしてあげた状態でアンプの
ボリュームを上げる。
というのが正しいセティングではないかと
急に思い至りアッテネータを絞って聞き始めたところで
この記事にたどり着いてあ~やっぱりそうなんだ
と確信した次第です。
ただマイナス4まで絞ってはいませんでした。
試して見ます。
その通りだと思います。アッテネーターをどのくらい絞るかは部屋の環境によるものと思います。