ブログ再開しました。手始めは「リリングのベト9」

少し長めの休息でした。
2011年正月よりブログ再開します。
本年もよろしくお願い申し上げます。

年末に放映されたリリング/N響の第9の感想を忘れぬうちに書き留めておこうと思う。

出だしの第2ヴァイオリンの刻み・・・さざ波が寄せ返すような、あるいは混沌から徐々に光が差し込むような所のハッキリクッキリした表現は、小生の好みであった。

これは、思いのほか良いぞ!
こう思ったのもつかの間。

1楽章、フルートが主旋律をフォローするところで、リリングが使用した楽譜が、ベーレンライター版の改造であることが判明。
ブライトコップフ版に慣れ過ぎたせいか、小生はどうもこのベーレンライター版が好きになれない。

ベーレンライター版は、ピリオド系統の指揮者が使用することで、昨今有名となった版である。
しかし全面的な採用ではないように見受けられ、このあたりも中途半端に聞こえてしまった。

ピリオド系統の意識が強かったのか、いすれの楽章もインテンポでかなり早めのテンポで進行する。
とりわけ3楽章の異常なアップテンポには、小生は可なり疑問を持った。

ティンパニのマレットは、相当難いものを使用しているようで、音がたいそう硬質であった。

終始角ばった演奏で、リリング御得意の「宗教音楽」を聴いているかのような第9.

解釈のツボを何か取り違えているようで、ベートーヴェンの作品とは思えない演奏になってしまった。

N響の紡ぎだす「音」は、硬質過ぎ。
アンサンブルを合わせることで精いっぱいのようで、深さにかける演奏になってしまった。
これは練習不足であろうか。
(佐渡裕指揮する1万人の第9を見たが、オケや合唱の技量を越えたところの「表現の意思」が感じられた。)

優秀な合唱とソリストの御蔭で、可なりの面で救われた演奏だが全楽章での評価は、辛口の点数しか上げられない。
どうもリリングのネームヴァリューに期待し過ぎたか。

如何に御得意の合唱付きの曲とはいえども、リリングにベト9・・・ベートーヴェン以降を振らせるのは、少々つらかったのであはあるまいか。

やはりこの人、今のところはバロックの、しかも宗教曲の人なのではないだろうか。

演奏が気まじめ過ぎて、面白みがない第9演奏となってしまったのは残念だ。
でも、こういう演奏が飽きず、長持ちするのかもしれない。

何回かリピートして聴いてみて、この感想が変化するといいのだけれど。

さて、年始からたいそう辛口の投稿となってしまったが、期待が大きかったことの裏返しだと思っていただければ、幸いである。

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by noanoa1970 | 2011-01-01 16:36 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(2)

Commented by HABABI at 2011-01-02 09:14 x
sawyerさん、今年もよろしくお願いします。

リリング/N響の第9、私もテレビで聴きました。第1楽章の出だしの響きが良かったので、私も大いに期待したのですが、終楽章の出だしが速いものではなくて、いわば普通のものだったり、結局あまり特徴がなかったように思いました。音楽をやっている息子が傍で聴き、時々「変な音を出している」、「怪しい音を出している」と言っていましたので、確かに練習不足か、あるいはリリングの得意な曲ではなかったのかもしれません。でも、会場にいたら、それなりに楽しかったろうと思います。
Commented by noanoa1970 at 2011-01-02 17:01
HABABI さん
こちらこそよろしくお願いもうします。
新年からマイナーな口調になってしまい、少々反省しております。バッハであれだけ素晴らしいリリングなのに、ベートーヴェンでは・・・そんな思いがつのってしまいました。
変な音・・・ベーレンラーター版によるところが大きいのではないかとも思いますが、おっしゃるようにN響の技量の問題かもしれません。

>でも、会場にいたら、それなりに楽しかったろうと思います。
それはその通りで、生のコンサートは視聴覚、嗅覚もすべての複合体ですから、TVなんかよりははるかに・・・次元のちがう何かがあるのでしょうね。時を置いてもう2、3度見聞きしてみようと思います。当初と感想がちがったらどうしよう。笑)