バレンボイム/BPOのブラ1

昨夜偶然だったが、TVでオックスフォード大学のシェルドニアン・シアターからの生中継をやったのを見ることができた。

デジタル5.1サラウンドの番組という触れ込みだったので、あまり興味はなかったが、まさかクラシックのライブ中継があるなんてことは夢にも思わなかった。

さらに演奏はバレンボイムとBPO、しかもブラームスの1番だから、見ないわけにはいかない。
この前に2曲演奏があったようだが、これは残念ながら見逃してしまった。

バレンボイムという指揮者、日本ではあまり評判が良くないが、小生は高く評価していて、それはかつて、彼のフォーレのレクイエムを聞いたとき、そして一連のワーグナーの楽劇からだ。

フルヴェンのエピゴーネンと称されるように、バレンボイムは実力よりも相当低く評価されてきた。
しかし彼は、実に曲想のつかみ方に長けていて、随所に細かいアゴーギグを入れ込むとともに、実によく歌う。

大いなる期待を持って臨んだブラ1。
しかし結果はやや期待外れだった。

オケはものすごい集中力だったが、出て来る音はブラームスらしくなく、ブラームスのあの和声が平凡だった。
このことは会場の音響のせいかもしれないが、バレンボイムともあろうものなら、会場の音響特性に合ったオケの配置、そしてオケの音の出し方にもう少し気を使ってもよかったのではないか。

オケにすさまじいほどの気迫があっただけに、とても残念。
言い換えればオケ全体のトーンバランスがかけていた。
そしてもう一つ、バレンボイムの、細かすぎてわかりにくいテンポの動かし方に、オケが追いついていなかったこと。

バレンボイムは決して細かい指揮はしなく、ある意味ではオケにまかせているようにも見えるが、実は非常に細かいニュアンスを要求しているようで、これに対するオケの反応が少々追いついてなかったようだ。

終楽章コーダには、弦パートが棒に合わせられずに、シンコペーションしてしまったようだった。
平凡なブラームス。
出てきた和声のトーンは、期待が高かっただけに、小生の好みのブラームスからは、かなり遠い存在であった。

ベルリンフィルで小生が少々驚いたことは、男女2人の邦人の演奏家の存在で、しかも2人とも首席を務めていたことだった。

コンマスは「樫本大進」氏で、ヴィオラの首席が「清水直子」氏である。
ベルリンフィルでは、日本人の奏者がコンマスを務めた例は過去にもあったが、女性が首席奏者を務めた例は、これが初めてではないだろうか。

変貌し、革新されるベルリンフィル。
伝統のベルリンフィルも、時代には逆らえないのだろう。
そしてこのことは大変喜ばしいことでもある。

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バレンボイムから花を1本もらった清水直子氏。

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by noanoa1970 | 2010-05-02 10:01 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(0)