ライカはちょうど5万円

ある日中古カメラ屋のショウウインドウを物色していると、キャノン、ミノルタ、ニコン、ペンタックス、ヤシカ、マミヤなどの往年の国産品に交じって、ブロニカ、ハッセル、ローライなどの有名海外ブランドのカメラやレンズが、そして傍らになんと、垂涎のライカM3ブラックボディがあるではないか。

どうせ高額に決まっているから買う気は毛頭ないのだが、少し気になり商品札をみると、なんと「50000円」とあるではないか。

あのライカM3が50000円?
きっと怖れてていてもう使い物にならないのだろうと思いつつも、あの用の美に秀でた質感と、そればかりではない、デザインの美しさは、たとえ写真が撮れなくても、持っていたいものだ。

それは少年のときにあこがれた「拳銃」。
本物のずしりとした質感や、アクションレバーの感触、レボルヴァーやラチェットギアーの金属が擦れ合う時の音・・・実際には球を発射しなくても、それを手に持つだけで満足できそうな感じがしたものだった。

S&W,コルト45、ワルサー、ベレッタ、南部、など、シングルアクションでもダブルでも、自動でも手動でもなんでもいいから、本物を触りたいという欲望があったのと、それは似ているのだろう。

使えなくなったカメラに50000円の投資・・・通常では考えにくいところであるが、LPレコードで、BLUE NOTEの初期盤は、・・・マニアにはものすごく違うらしい、後年発売ものが中古で1000円で入手可能なのに、数万円の価格がつくから、このような世界は然としてあるのだ。

小生はかなり迷った結果、思い切って店の中に入り、店主に「あのー、ウインドウにあるライカのM3,壊れていいるから50000円ですか?」と聞いた。

すると店主はいかにも怪訝そうに「いいえ、あれは現役バリバリの機械です」「うちは使えないものは置いていません」と、少しむっとした表情を、その顔面にたたえながら言った。

「でも50000円だなんて・・・・」小生がそういうや否や、店主は、この度素人め、だからライカがわからないやつは嫌いだ・・・そんな目をしながら、「よく値札を御覧なさい、50000円とついているのは、ライカ本体の隣にある システムフラッシュユニットSF24Dのことです 」と言ったのだ。

そして、「ライカ本体は・・・」あなたが買えるような値段ではない・・・そういう目と顔をしながら700000万円です」と追い打ちをかけるようにそう冷たく言い放った。

「ええーつ700000円なのか」恥ずかしさで顔が赤くなりながら、そして自分がおかした不注意を自身で軽蔑しながら、ライカのことを知らない小生が、ライカの世界に入ろうとしたことを激しく後悔しながら、もうその場には居たたまれなくなって、「すみません、また来ます」とか何とか言うが否や慌てて店を飛び出した。

・・・・・・

そして店を出た途端、目が覚めた。・・・・・そして、これが夢だと分かった。

先日UPした「ライカはローリングストン」というダジャレ、パロディの曲を作った、今は亡き加藤和彦の影響が多大であることを再認識したのであった。

夢の中で、加藤のパロディを」真似て・・・・

「ライカは50000円ピッタリだった」(と思ったら実は違っていた)という言葉で
すぐにピンと来たあなたは偉い。

そうです
「ジャスト ライク ア ウーマン」
ボブ・ディランの「女のごとく」を「ジャスト、ライカは五萬(ウーマン)」・・・ライカは50000円ピッタリだったという、加藤流のダジャレを夢の中で真似たということであった。

ウーマンはマージャンでは「五萬」だから、念のため。

それではディランの「ジャストライクアウーマン」をお聞きください。
どう聞いても、「ジャストライカウーマン」と聞こえてしまう。

「ノーボディ・・・・Nobody feels any pain」・・・誰も痛みなど予測できない・・・と歌は始まるが、ライカ50000円は、ボディの値段でなく…(すなわちノーボディ)、フラッシュの値段だった、こんなことは予測できなかった、という「落ち」付きで。


ちなみに「like a rolling stone 」は以下の通り。65年ニューポートフェスのライヴで。
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by noanoa1970 | 2009-10-24 11:35 | 徒然の音楽エッセイ | Comments(8)

Commented by ibotarow at 2009-10-24 17:05
ジャスト ライカ ウー萬ですか、まったくわかりませんでしたが久しぶりに笑いました。
加藤和彦の、ライカ・ローリングストーンのYouYubeも拝見、楽しみました。
ま、60越えたらいつ死んでもいいんじゃないですか。
Commented by noanoa1970 at 2009-10-24 17:29
ibotarowさんコメントありがとうございます。
ヴァイタボックスの話読みました。CN-191は、京都のJAZZ喫茶YAMATOYAに設置されていて,小生の憧れでもありましたが、コアキシャルユニットを鳴らしているとは・・・驚きでした。
斥候に笑っていただいて恐縮です。たまにはこのような与太話も交えないと・・・・
京都で同じ空気を吸った同年代の人間なので、加藤和彦の突然の死は少々心を引きずりました。
昔なら60越せば・・とも思いますが・・・
Commented by drac-ob at 2009-10-24 23:50 x
バングラデッシュのコンサートのときのディランですね。ジョージとレオンをサイドに従えて、歌っていますが、まさかこれがカメラと麻雀の歌だとは夢にも思いませんでした(笑)。

しびれのほうはすっきりしないようですが、くれぐれもご自愛下さい。
Commented by HABABI at 2009-10-25 09:29 x
おはようございます。
就職した頃は、国産の安価な一眼レフカメラ(P社の半自動)を買うのがやっとでしたが、愛情のなせるわざか、今見ると子供たちがよく撮れています。当時、私には高値の花だった国産カメラの中古をウィンドウで見るだけでも楽しくなります。
ブルーノートではありませんが、バックハウスのベートーヴェンのピアノソナタ(古いモノラル録音の方)を、最初に発売されたLPの音がいいので、探して全曲盤を入手しました。後から出たLPは、どれも鮮明さの点で劣っています。
それにしても、高度な洒落を思いつかれるものですね。ひたすら感心。HABABI
Commented by noanoa1970 at 2009-10-25 12:29
drac-ob さん
加藤和彦のまねをしたら、少し面白いものに仕上がりました。バングラデシュコンサートは、小生のローリングストンでもあります。
Commented by noanoa1970 at 2009-10-25 12:35
HABABI さん
いつも小生の投稿は硬くなりがちなので、たまにはこんな遊びもいいかなと思いまして・・・・
加藤和彦のものまねからの発想にすぎませんが、「nobody」という出だしの歌詞は偶然の発見です。ライカはボディとレンズや付属品が別仕立てで売られていることが多いから、合計ではすごく高額になってしまいます。小生はあまりカm、エラに興味がないのですが、最初のカメラは、コニカでロッコールのレンズが付いていました。そして倍数が撮れるという小型カメラ、ヤシカを入手しましたが、これはすぐに壊れてしまいました。50年前のコニカは修理に出し、今も現役です。
Commented by K平 at 2009-10-26 20:03 x
昔、ハワイやグアムに遊びに行ったら
その手の拳銃を その手の店で、金を払って実射してました。
マガジンタイプは 店の人が入れたものをセットするだけですが、
リボルバータイプの拳銃の弾倉を横に出して 自分で弾丸を装填すると、アドレナリンが上がってきます。私は所謂草食系なのですが、バイクに乗っている時と 拳銃を撃ったときは 肉食系の部分を 感じます。空の状態で引き金を引いたら カチャと情け無い音なのに
実弾を撃つと 小型の拳銃でも 反動が結構あり 驚きます。音は
映画やTVのようなかっこいい音ではなく、カンシャク玉か爆竹みたいなパーンという感じの音でした。不謹慎ながら 金はかかりますが、実射は爽快ですね。
BOB DYLAN、基本的には アコースティックが好きなのですが、「LIKE A ROLLING STONE」は 別格です。大好きですね。
Commented by noanoa1970 at 2009-10-26 22:02
実射の経験が御有りですか。それはそれは・・・・
小生は少年の頃、イミテーションですが、より本物に近いものを求めてうろついていたことがありました。本物のピストルは、どんな感触がするのだろうなど、そして西部劇でよく見かけるコルトの発射音はどのようなものだろうと、想像たくましくするのが精いっぱいでした。銀玉充填のものが出始めたころは、もう熱も冷めてましたが、あの持ち重りすると思われる本物に1度は触れてみたい気もします。